釜石市議会 > 2022-03-09 >
03月09日-03号

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  1. 釜石市議会 2022-03-09
    03月09日-03号


    取得元: 釜石市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-09
    令和 4年  3月 定例会(第1号)            令和4年釜石市議会3月定例会会議録---------------------------------------           令和4年3月9日水曜日--------------------------------------- 議事日程 第3号   令和4年3月9日(水) 定例会         午後1時会議を開く第1 本日の会議録署名議員の指名第2 市政に関する一般質問(続)  5 (1) 2025年問題の高齢者認知症について     18番 菊池秀明議員    (2) 観光問題について                  〃    (3) 甲子柿の課題について                〃  6 (1) コロナ禍を踏まえたコンテナ物流について  10番 平野弘之議員    (2) 釜石港公共ふ頭におけるRORO船寄港に関するその後の状況について                                〃    (3) ゼロカーボンシティ推進室の設置について       〃  7 (1) 少子化対策・子育て支援について      13番 細田孝子議員    (2) 市民サービスの向上について             〃    (3) 被災者支援について                 〃                                     以上--------------------------------------- 本日の会議に付した事件第1 本日の会議録署名議員の指名……………………………………………………… 112第2 市政に関する一般質問(続)  5 (1) 2025年問題の高齢者認知症について     18番 菊池秀明議員……〃    (2) 観光問題について                  〃   … 113    (3) 甲子柿の課題について                〃   … 114  6 (1) コロナ禍を踏まえたコンテナ物流について  10番 平野弘之議員… 127    (2) 釜石港公共ふ頭におけるRORO船寄港に関するその後の状況について                                〃   … 129    (3) ゼロカーボンシティ推進室の設置について       〃   ……〃  7 (1) 少子化対策・子育て支援について      13番 細田孝子議員… 142    (2) 市民サービスの向上について             〃   … 143    (3) 被災者支援について                 〃   ……〃--------------------------------------- 出席議員(16名)                 議長   木村琳藏君                 副議長  菊池秀明君                  2番  磯崎翔太君                  3番  三浦一泰君                  4番  川嶋昭司君                  5番  野田忠幸君                  6番  深澤秋子君                  8番  高橋松一君                  9番  遠藤幸徳君                  10番  平野弘之君                  11番  千葉 榮君                  12番  佐々木 聡君                  13番  細田孝子君                  14番  山崎長栄君                  15番  水野昭利君                  16番  佐々木義昭君 欠席議員(1名)                  1番  古川愛明君--------------------------------------- 説明のため出席した者         市長           野田武則君         副市長          晴山真澄君         総務企画部長       佐々木 勝君         市民生活部長       菊池公男君         保健福祉部長       小笠原勝弘君         産業振興部長       平松福壽君         建設部長兼復興管理監   熊谷充善君         文化スポーツ部長     佐々木育男君         危機管理監        菊池拓也君         総合政策課長       佐々木義友君         総務課長         川崎浩二君         財政課長         佐野正治君         健康推進課地域医療連携推進室長                      岩崎 隆君         地域福祉課長       村上徳子君         高齢介護福祉課長     山崎教史君         地域包括支援センター所長 三浦功喜君         子ども課長        千葉裕美子君         産業振興部次長兼国際港湾産業課長                      猪股 勉君         商工観光課長       猪又博史君         水産農林課長       小山田俊一君         都市計画課長       新沼康民君         都市計画課主幹      小笠原 太君         世界遺産課長       千葉 裕君         水道事業所長       今入義章君         教育長          高橋 勝君         教育部長         紺田和枝君         教育委員会総務課長    山崎博美君         学校教育課長       佐々木 誠君         監査委員         小林俊輔君--------------------------------------- 事務局職員出席者         事務局長         村上純幸         事務局次長        廣田昭仁         事務局次長        小山田富美子---------------------------------------               午後1時会議を開く ○議長(木村琳藏君) 本日の出席議員は16名で定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 欠席の届出は、1番古川愛明君の1名であります。 直ちに本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元の議事日程第3号により進めます。 釜石市議会は、申合せにより新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、1時間に一度、換気のため10分程度の休憩を設けます。 傍聴の方、市当局、議員の議場内でのマスク着用と、マスクを着用したままでの発言に努めるようお願いします。 多人数が集合している状況であることを考慮し、効率的な会議の進行に御協力をお願いいたします。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 日程第1、本日の会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員には、会議規則第81条の規定により、議長において、14番山崎長栄君及び16番佐々木義昭君を指名いたします。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 日程第2、市政に関する一般質問を行います。順次質問を許します。 18番菊池秀明君、登壇願います。  〔18番菊池秀明君登壇〕 ◆18番(菊池秀明君) 令和クラブの菊池秀明です。 それでは、通告に基づき一般質問を行います。 今回は3項目について。1点目は、2025年問題の高齢者認知症について、2点目は、観光問題について、3点目は、甲子柿の課題について。 以上について質問を行いますので、よろしくお願いいたします。 1点目は、2025年問題の高齢者認知症について。 2025年には団塊の世代800万人が75歳以上になり、後期高齢者の人口が約2200万人に膨れ上がり、国民の4人に1人が75歳以上が予想され、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念される問題であります。 その中で、認知症の人数は2012年(平成24年)約462万人、正常と認知症との中間の状況の軽度認知障害と推計される約400万人と合わせると、65歳以上の高齢者の約4人に1人が認知症の人、またはその予備群とも言われております。 2020年には65歳以上の認知症の人の数は約600万人と推計され、2025年には約700万人、高齢者の約5人に1人が認知症になると予測されており、当人やその家族の意思が尊重され、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、認知症に向けた取組が今後ますます重要になると考えられます。 それでは、質問いたします。 現在の当市の認知症の状況及び2025年には全国的に認知症が高齢者の約5人に1人と上昇予定であるが、2025年の当市の状況と認知症対策について見解をお示しください。 それから、認知症による社会問題の発生状況及び増加する社会問題対策について伺います。 2点目は、釜石市の観光について。 東日本大震災の復興道路として国が整備を進めてきた三陸沿岸道が昨年12月に全区間359キロが全線開通し、災害時の移動経路の確保や地域産業の振興、広域交通の利便性の向上に伴い、物流等の産業機能の立地ポテンシャルの向上が期待されます。しかしながら、その反面、都会から地方部に人が来るのではなく、地方部から都会に人が転出または通うことで、地域の商店や企業の存在意義が失われる現象が発生します。一方、経済規模や観光規模の大きい市町村に求心力が移り、単なる高速道路の通過点になる可能性があります。それゆえ、三陸沿岸道が全線開通し、産地間競争が激しくなり、新型コロナウイルスの影響がある中で、釜石の観光が生き残れるかどうか、その取組について質問をします。 平成28年、釜石市観光振興ビジョンが策定され、ロードマップの期間を前期4年と後期6年に区分しました。それぞれの区切りに向けてKPIを設けておりますが、その結果と今後の課題についてお示しください。 また、前期4年の目標は、市民が地域の魅力を再発見し、価値を創造していく実施計画でありました。その再発見した結果と具体的な内容をお示しください。 次に、2015年(平成27年)、明治日本の産業革命遺産の一つとして橋野鉄鉱山が世界遺産に登録され6年が過ぎました。しかし、橋野鉄鉱山入り口付近は、いまだに仮設トイレ、未整備の駐車場で、入り口は、訪問したお客が初めて目にする場所で、よい印象を与えるように配慮し、受付はホームの顔であるが、受付の建物、入場門もない。なお、自家用車等で史跡内に乗入れ可能な状況であるので、損傷、破壊等の脅威があることから、保護、保存するための環境整備が必要と考えます。これからも世界遺産の地として将来にわたって多くの人に訪れてもらうために、私は入り口付近の改善や整備が必要であると考えますが、どのような対策を図っていくのかお伺いいたします。 3点目は、甲子柿の課題について。 甲子柿とは、渋柿の一種である小枝柿を柿室と呼ばれる密封した空間で、適切な温度で約1週間蒸し、脱渋したもので、ゼリーのような食感と鮮紅色が特徴であります。毎年10月下旬から11月上旬に、主に道の駅釜石仙人峠で販売され、甲子柿まつりが行われておりますが、今年の甲子柿は品薄で、道の駅での販売は開店する直後で完売する状況で、購入者から不満が続出し、他の販売所も同様でありました。それに、甲子柿が地理的表示保護制度対象農産物となり、今後の生産販売に弾みがついたことを受け、品質の均質化、安定供給に向けた一層の取組が必要になります。 そこで質問します。 今年の甲子柿の品薄原因及びその対策について伺います。 かつ、当市のトップブランドとして育成すべきと考えるが、計画について伺います。その計画に加えていただきたく、柿室と呼ばれる密封した空間で、適切な温度で約1週間蒸し、脱渋作業が大変な重労働であります。これを軽減するための自動で煙を発生し温度管理のできるマシンを当市で開発に携わり農家に貸与する及び担い手が不足していることから、収穫、管理しやすい場所に柿畑を10年計画でつくるべきであると考えますが、見解をお伺いします。 以上で壇上での質問を終わり、自席で再質問を行います。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 菊池議員の御質問にお答えをいたします。 観光振興ビジョンアクションプランにおける市民が再発見した地域の魅力についての御質問でございます。 東日本大震災により、当市では多くの観光施設が甚大な被害を受け、豊かな自然環境もその一部が流出するなど、観光地としてはもとより、都市としての魅力が著しく低下することとなりました。こうした状況に対し、観光による地域経済の振興と、市民が釜石市に住まう誇りを取り戻すことを目的とし、平成29年、復興まちづくり基本計画を上位計画とし、平成29年度から令和8年度までの10年間を計画期間とする釜石市観光振興ビジョン及び実施計画となるアクションプランを策定いたしました。釜石市観光振興ビジョンは、市全体を屋根のない博物館と見立てた釜石オープン・フィールド・ミュージアム構想を地域コンセプトとして掲げ、住まう誇り、郷土愛を醸成しながら観光地域づくりを行う持続可能な観光地を目指しております。 このコンセプトに基づき、地域の魅力を再発見するための主な事業として、当市の観光施策の特徴的な取組でもあるMeetup kamaishi事業を展開してまいりました。それまでの観光は、大型名所を観光バスで巡るようなスポット型観光が主流でございましたが、近年は、1か所に滞在し、自然、文化、人々との交流や体験を楽しむ滞在交流型観光のニーズが高まっていると考えております。 今年度のMeetup kamaishiは、海にくりだす、山にくりだす、食を楽しむ、自然と健康、防災を学ぶ、歴史を知る、そして天体を観測の7項目をテーマに掲げ、コロナ禍にあって懸命の準備と調整を行いながら、釜石ならではの23の体験プログラムを用意し、観光客に地域の魅力を提供しております。中でも、漁師が案内役を務める漁船クルーズや酒造会社の協力の下で行った梅酒づくりの総仕上げ、梅の実引上げ体験などを、新たに発見した魅力として追加したところでございます。これらのプログラムは、地域住民や団体が主体となり、市及び株式会社かまいしDMCとの協働で実施することにより、様々な形で参画した地域住民が、釜石における地域の宝を再認識し、それを観光客と交流しながら広めることで、観光地域づくりを推進する人材の育成にもつながっていると考えております。 今後とも、これらのプログラムの充実を図りながら、地域の魅力向上と地域の宝である観光資源の発掘に努め、観光振興ビジョン策定の目標の一つである釜石に住まう誇りを育みながら、事業化に向けた取組を進めてまいります。さらに、プログラムを充実させながら魅力を地域内外に発信することにより、全国の釜石ファンや関係人口の継続的な来訪を促し、それによって市民が釜石の宝を再認識できるよう取り組んでまいります。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き、関係部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長小笠原勝弘君登壇〕 ◎保健福祉部長(小笠原勝弘君) 私からは、現在及び2025年の当市の認知症の状況と認知症対策について並びに認知症による社会問題の発生状況及び対策についての御質問にお答えいたします。 まず、現在及び2025年の当市の認知症の状況と認知症対策についての御質問ですが、当市における認知症の状況は、2021年3月31日現在の要支援・要介護認定者2665人のうち、認知症高齢者の日常生活自立度調査で日常生活に何らかの支障を来すとされる日常生活自立度Ⅱ以上の方が1546人で58.0%を占めております。2025年度の当市の状況の予測につきましては、釜石市高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画において、2019年度と2020年度の実績を基に独自推計した推計値では、2025年度の要支援・要介護認定者の数は2557人となり、この数値に対し2021年時点の割合を当てはめますと、1483人となります。2025年度では、人口減少とともに、要支援・要介護認定者が減少するものと推計しているところではありますが、その中にあっても、高齢者における認知症の割合は増加するものと見込まれることから、この人数を上回っていくものと考えております。 当市における認知症施策でございますが、まず、認知症サポート医地域包括支援センターの保健師、社会福祉士、介護福祉士の計4人で構成する認知症初期集中支援チームを設置し、認知症高齢者の早期発見・早期受診につなげるため、相談支援の取組を行っております。また、地区集会所など身近な場所で保健師等による、もの忘れ相談会や認知症予防教室を実施するなど、意識啓発を兼ねた取組を行っております。 認知症の人やその家族、医療や介護の専門職、地域の人が、気軽に集い、認知症について理解を深める居場所づくりとして、認知症カフェの運営の支援を進めております。このほか、認知症高齢者の徘回事故が発生した場合に備え、早期発見・早期保護を目指す認知症高齢者徘回SOSネットワーク事業認知症サポーターの養成、家族会の運営など、各種施策を展開しているところであります。 今後も引き続き、認知症になっても可能な限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、関係機関と連携して認知症施策を展開してまいります。 次に、認知症による社会問題の発生状況及び対策についての御質問ですが、超高齢化社会を迎え、認知症と共に生きる高齢者の割合は今後も増加するものと予測されており、認知症を患うことにより、認知機能障害とともに、様々な精神的・身体的・社会的な問題が現れ、生活上の混乱や周囲とのトラブル等の問題が発生している状況にあります。例を挙げますと、外出して自宅に戻れなくなり警察等に保護される例、自宅やその周辺にごみが積み上げられるといったごみ屋敷問題、悪質な訪問販売等による消費者被害、コミュニケーションがうまくとれないことによる地域や家族からの孤立、また、認知症の方の予測を超えた行動により介護者が身体的・精神的なストレスを感じ虐待につながる事例もあります。 当市においては、独り暮らし、あるいは高齢者のみ世帯の相談が多く、親族や家族と疎遠となり孤立している場合には、認知症を発症して日常生活や金銭管理が困難になるなど、認知症の症状や生活環境が悪化してから相談対応となる事例が多く見受けられます。また、被害妄想等により周囲とトラブルとなり、対応する事例も多くなっております。 これらの社会問題の対策といたしまして、先ほど申し上げました認知症施策の着実な展開に努めているところであり、認知症の方が尊厳と希望を持って認知症と共に生きる、認知症があってもなくても同じ社会で共に生きる共生を目指した地域づくりの取組を推進することが重要と考えております。 その取組の推進に当たって、当市において、住民に身近な相談窓口として市内8地区に生活応援センターを設置し、家族の方が相談しやすい体制を構築しております。併せて、高齢者の総合相談窓口としては、地域包括支援センターのほか、市内7か所に在宅介護支援センターを設置するとともに、釜石・遠野地域成年後見センターなど関係機関と十分な連携体制の構築を図っており、認知症による社会問題の発生に速やかに対応できるよう取組を進めてまいります。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。  〔産業振興部長平松福壽君登壇〕 ◎産業振興部長(平松福壽君) 私からは、観光振興ビジョンで設定したKPIの結果と今後の課題について及び甲子柿についての御質問にお答えします。 初めに、観光振興ビジョンで設定しているKPIの前期の結果と今後の課題についての御質問ですが、釜石市観光振興ビジョン前期アクションプランは、平成29年度から令和2年度までの4年間を計画期間として、滞在交流型観光の創出、国際交流と多様性の受入れ、マーケティングと地域DMOの設立、そして地域内交流の拡大の4点を戦略目標に定め、施策を展開してまいりました。 結果として、観光戦略推進の要となる地域DMO法人株式会社かまいしDMCを設立したほか、鵜の郷交流館、魚河岸テラス、根浜海岸観光施設、御箱崎の宿などの施設整備を進め、さらに、2市1町の協力の下に五葉山避難小屋石楠花荘を改築整備し、観光客を迎えるための基盤づくりに取り組みました。併せて、Meetup kamaishiや三陸ジオパーク関連の自然・文化体験プログラム、震災による学びを伝える防災プログラムなど、様々な体験型プログラムを造成し、観光客のほか、教育旅行や企業研修などに提供することで、釜石の魅力を積極的に発信してまいりました。 KPIとしては、市内への宿泊者数、体験プログラム実施件数体験プログラム参加者数、教育旅行・企業研修誘致数、観光客全体入り込み数を経済指標として定め、体験プログラム参加者数と教育旅行・企業研修誘致数については目標値を上回りましたが、その他については、新型コロナウイルス感染症の拡大における移動の自粛やイベント等の中止が影響したことにより、残念ながら、実績数値の上では目標達成に至っておりません。 今後の課題といたしましては、体験プログラムを支える1次産業事業者の担い手不足や、道路交通網の利便性がよくなったことによる通過型観光への懸念のほか、平成30年度から継続的に行っている来訪者アンケートの結果からは、ハード復興が進み町並みへの満足度は向上し、食べ物や特産物の満足度も高い水準をキープしている反面、体験やレジャー、イベントの満足度は伸び悩んでいることから、これらを念頭に置いた事業の展開が必要であると考えております。 さらに、昨今は、世界的に持続可能な観光・サステナブルツーリズムへの関心が高まっており、旅行者から選ばれる観光地となるための地域におけるマネジメント体制の構築、コンテンツの造成・工夫、受入れ環境の整備を図ることで、住んでよし、訪れてよしの持続可能な観光地域づくりが求められております。当市では、サステナブルツーリズムを推進するため、オランダの認証機関グリーン・デスティネーションズの観光地認証プログラムを取り入れ、2019年には持続可能な観光地100選2019に選出されるなど、全国の先駆けともなる取組を進めてまいりました。今後は、これを市内観光関係者や事業者に広げ、関係者が一丸となって当市の観光を持続可能なものにするべく、一層の取組を進めてまいるべきものと考えております。 次に、甲子柿の課題についての御質問ですが、甲子柿の生産量のピークである平成2年度には、甲子柿の里生産組合に加入されていた生産者は90名で、生産量は約32トンでありましたが、直近では、生産者22名、生産量は10トン程度となっており、さらに、令和3年度の生産量は例年の6割から7割程度であったものと推測しております。 令和3年度の品薄の要因は、前年の暖冬の影響による害虫の増加、今年の長雨の影響によると思われる落葉病が多くの圃場で発生し、原料となる小枝柿の収量が大幅に減少したことと考えております。 生産組合では、これまでも、生産量の維持拡大に向け、優良形質を持つ穂木を確保し、原料となる小枝柿の苗木を組合員に供給するとともに、低い樹高を目的とした樹形管理などを推進し、岩手県農畜産物価格安定基金協会の果樹産地づくりコンクールにおいて奨励賞を受賞するなど、様々な取組を実施してきております。そうした中での本年度の品薄には、生産組合の組合員も危機感を持ち、例年開催している剪定講習会に加え、岩手県植物防疫協会から講師を招いて防除講習会を開催し、円星落葉病や角斑落葉病に対する対策を学習するなど、令和4年度は、圃場の適切な管理に向けて取り組むこととしております。 次に、当市のトップブランドとして育成すべきとの御質問ですが、市内での甲子柿の販売は、道の駅釜石仙人峠のほか、甲子町の産直、市内スーパーが主な売場となっておりますが、近年は甲子柿の認知度が向上し、東京にある岩手県のアンテナショップの銀河プラザ、盛岡市にあるらら・いわてなどから販売の引き合いがあるほか、伊丹空港での空の市や仙台市のGI産品フェアへの出店に加え、全国的な発送販売の要請も数多くあるなど、生産量の維持拡大は喜ばしい課題でもあるものと認識しております。高い品質を確保するといった観点から、例年生産組合が実施している目揃え会に加え、昨年度から、食味や色、外観等を審査するための甲子柿審査会を開催し、生産技術や品質の向上に向けた取組を実施しているところです。 生産者は、最盛期からは大きく減少しているものの、現在は生産意欲の高まりも見られ、一定の機運が醸成されているほか、甲子柿に魅力を感じた若い方々の中から組合員となり生産に携わりたいという希望者も出てきている状況です。また、市内には現時点で遊休となっている圃場も数多くあり、これらの再生や活用を図るほか、市内全域への圃場の整備を促進しながら、担い手を確保していく方策なども考えながら、引き続き生産組合と連携し、市として可能な限りの支援策を講じてまいります。 特にも、令和3年3月には、農林水産省が所管する地理的表示保護制度、いわゆるGIへの登録が完了しており、これを契機に、当市の特産品として定着した甲子柿の歴史的背景をも踏まえたPRや認知度の向上に向けた取組をさらに促進するとともに、甲子柿の味や生産方法といった全国に唯一無二の特徴を生かしながら、当市のトップブランドとして育成してまいりたいと考えております。 次に、作業の機械化についての御質問ですが、生産量の維持拡大のためには、生産者の負担の軽減を図る必要もあり、可能な範囲で機械化を進めることは効果的と考えられるものの、柿室の温度などの管理は重要かつ繊細な作業であるほか、伝統的な製法を次世代に継承していくことによって特産品としての価値が高まる側面もあることから、機械化の支援に関しては、生産者の意向を踏まえた十分な意見交換が必要であると考えております。 次に、小枝柿の圃場の整備拡張についての御質問ですが、令和元年度に小枝柿の未収穫となっている圃場の所有状況調査を実施し、遊休となっている圃場の把握に努めているところであり、この遊休圃場の再生や活用を図るとともに、圃場の拡大を考えている生産者への支援策を積極的に講じてまいりたいと考えております。 今後も、引き続き、生産組合、県沿岸広域振興局農林部、大船渡農業改良普及センター等と連携協力し、担い手の確保育成や遊休圃場の活用など、生産技術や品質の向上に向けて、甲子柿生産振興計画を作成しながら、さらなる生産の拡大に取り組んでまいります。 ○議長(木村琳藏君) 文化スポーツ部長。  〔文化スポーツ部長佐々木育男君登壇〕 ◎文化スポーツ部長(佐々木育男君) 私からは、橋野鉄鉱山入り口付近の改善や整備についての御質問にお答えいたします。 市では、平成30年3月に策定した橋野鉄鉱山の保存・整備・活用に関する計画において橋野鉄鉱山の見学動線を設定しておりますが、見学の玄関口は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターとし、明治日本の産業革命遺産及び橋野鉄鉱山の概要をセンターで紹介し、高炉場跡にいざなうルートとしております。しかしながら、インフォメーションセンターよりも先に高炉場跡に向かう見学者もあり、その対策として、周囲の景観に配慮しながら案内看板などを設置してまいりました。 インフォメーションセンターには、利用者の休憩などの便宜を図るため、男女別の水洗トイレに加え多目的トイレなども設置しておりますが、センターの開館時間外や見学者の急な利用を考慮し、高炉場跡に近い場所に仮設トイレを設置しています。仮設トイレの常設化については、これまでも観光関係者や地元住民団体などと検討協議した経過がありますが、現状の施設で十分に対応できていることに加え、トイレの水源及び浄化槽の設置経費や整備する場所の選定など課題が多く、整備が見送られております。 また、御指摘の箇所の周辺は、橋野鉄鉱山の保存・整備・活用に関する計画において大門入口ブロックと位置づけており、高炉場跡の入り口付近の道路敷地は、障がい者用の駐車スペースや車両の転回場所としております。一方で、大門入口ブロックの環境整備も必要と考え、これまでに明治日本の産業革命遺産で共通したデザインの世界遺産登録記念銘の設置や三陸ジオパークと連携した案内看板の設置を行いました。さらに、地域の方々やボランティアの協力をいただきながら、見学者を歓迎するのぼり旗の設置や入り口の橋の塗装、国史跡の名称が書かれた石柱の清掃を行うなど、見学環境の向上に努めています。 高炉場跡への車両の進入については、平成30年6月に高炉場跡内の見学道を簡易舗装により整備した際に、一般車両が入場できないよう車止めを設置しており、現在は、周辺の土地や山林の所有者である国や企業、市など、管理車両のみの通行としております。併せて、国において来年度の完成を目指して新たな林道を整備しており、大型の作業車両が県道釜石遠野線から市道や高炉場跡内の見学道を通らずに奥の運搬路跡に抜けることが可能となります。 当市といたしましては、今後とも、橋野鉄鉱山の保存・整備・活用に関する計画に基づき、遺跡の保全や周囲の景観に配慮した修復、整備を実施してまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) それでは、再質問をさせていただきます。 甲子柿、観光、2025年問題と質問をいたします。 今年の甲子柿の品薄原因の答弁は、生産者が減少し、平成2年には32トンの生産から10トンに低下しました。その上に、令和3年は害虫の増加と落葉病のため6から7トンの生産しかなかったということのようです。この生産量を考えた販売方法であったのか、また、農林課の指導体制はどのようだったのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) 甲子柿の販売方法につきましては、甲子柿の生産者や加工事業者などで構成します甲子柿の里生産組合の総会で協議が行われておりまして、市内外、首都圏などでの販売について決定しているところでございます。市は、組合員である生産者の生産販売活動を支援し、さらには、連携協力しながら認知度の向上に努め、取り組んでいるところでございます。生産者からは、本年度の取組は、甲子柿の需要の大きさを改めて認識した、あるいは、生産意欲の向上につながったなどの声をいただいているところでありまして、本年度の結果を踏まえながら、次年度の総会で令和4年度の活動などを協議検討していくこととしております。 生産量でありますが、総会で決定した段階においては、暖冬の影響による害虫の増加、あるいは長雨の影響による落葉病の発生など、こういった要因について、収量の減少など予測できなかったという面があるものと捉えておりまして、先ほどおっしゃいましたように、例年の収量が10トンなのですが、六、七割程度の出荷量にとどまったという現状になってございます。生産組合では、圃場の適切な管理に努めるとともに、原料となる小枝柿の収量の確保に努めながら、生産量の維持拡大に向け取り組んでいくところでございます。市といたしましても、県の大船渡農業改良普及センターと連携しながら、落葉病などの対策に取り組んで、安定した収量の確保に向けて取り組みながら、甲子柿を消費者に提供していきたいと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 今後のことについてお話しされました。確かに、今年は甲子柿が不足して、販売所では、10分ぐらいで売り切れるものですから、その後から来たお客さんに対しては頭を下げっ放しで大変苦労したという話を聞かされております。ですから、その辺についても、今年はないようにお願いしたいと思いますし、午前中ぐらいは甲子柿を市内で購入できる体制づくりも必要かと思います。よろしくお願いいたします。 また、現在植えてある柿の木は、畑の端だとか高い木が多く、柿を収穫できない、生産性が悪い場所にあります。ですから、木ざらしの柿が多く見られるということで有名ではないかと思います。釜石のトップブランドにするためには、耕作放棄地や平らな生産性のよい場所に10年計画で甲子柿の畑を作り、農薬散布や、高齢者でもできるように改善しなければならないと考えるところでございます。市は、この甲子柿の生産体制確立についてどのように考えているかお伺いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。
    ◎水産農林課長(小山田俊一君) 圃場の所有状況の調査につきましては継続的に取り組んでおりまして、それに加えまして、毎年度、県の大船渡農業改良普及センターと協力しながら生産者の圃場を巡回して、圃場の管理状況などの把握に努めているところでございます。その状況を把握しながら、遊休となっている圃場の再生、活用について検討しているというところでございます。組合のほうでは、剪定講習会を実施しながら低木化に取り組んでおりまして、適正な圃場の活用に努めることとして、市のほうの農業振興総合補助金というものを活用しながら、甲子柿の原料となる小枝柿の苗木の購入などを行っているところでございます。 市としましては、生産組合、県の沿岸広域振興局、県の大船渡農業改良普及センターと連携しながら、令和4年度中には甲子柿生産振興計画というものを作成する予定としておりまして、この計画の中で遊休となっている圃場の活用など、広い視点から検討してまいりたいというふうに考えておりまして、この計画に基づいて新年度の取組を進めてまいりたいと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 県の振興計画に沿って進めているということで、期待はしたいと思います。 ただ、柿は7年ぐらいから収穫可能になります。ですから、今から始めないと、10年後には、またいい柿ができないような状況になると思いますので、その辺は計画の中に織り込んでいただければと思います。 次に、柿室と言われる密閉した空間で、適切な温度で約1週間蒸す作業が一番苦労する。この作業を軽減したいと柿農家の要望であります。2つの要望がありました。1つは、市が大きな柿室の設備を造って共同で管理できないのか、2つ目は、自動で煙と温度管理ができる装置を開発し、各農家に市から貸与できないかであった。さきに自動で煙と温度管理ができる装置の開発を切望されましたことから、再度、この機械化の開発費についてお伺いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) 今、2つ、共同の大きな室の管理、もう1点が温度管理自動装置という要望であったかと思います。御提言をいただきまして誠にありがとうございます。 現在、甲子柿ですけれども、生産者によっていぶす際の材料や温度管理などの方法が異なっているという現状がありまして、共同室の使用方法、管理方法などを生産組合で協議しながら、議論して、組合員である生産者相互に理解を深めた上で運営していく必要があるのではないかというふうに考えております。柿室の作業は、各圃場で、柿の実の生育状況や収穫時期による色づきの具合、あるいは外気温や湿度に応じた柿室の温度の管理など、様々、そういった繊細な、デリケートな部分が非常に重要というふうに認識しておりまして、近年、生産者の方々は様々な工夫をしているところでございます。柿室の中でいぶす際に使用される材料として、木材のほかにもみ殻や木くずを使用するなど、柿室の温度を一定に保ちながら柿室を見回る回数を減少させて、工程作業全体の負担軽減を図るという工夫もされているというふうに伺っております。御提言のありました2つの点につきましては、GI登録に基づく生産法の視点も踏まえながら、生産組合で議論を重ねながら可能性を見出していきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 生産組合で設置の可能性について協議しながら進めるということで、前向きの答弁をもらったと思っています。ぜひ進めていただきたいと思います。 ただ、確かに、今は、開発するというような余力のある農家は少ない、ないと言っても過言ではないかと思います。ですから、市がトップブランドに位置づけるということであれば、やはり、共同室、機械化、これは市で行っていただくということを考えていただきたい、そう思います。その装置が出来上がれば、共同室にも使用できて、その共同室も共同で管理できる生産体制、そういうことによって飛躍的な生産量増加につながるのではないかと思います。 それと、考えていただきたいのが、通年販売を目指すためには、急速冷凍した甲子柿を冷凍庫で保存し、それを今ふるさと納税で返礼品として送っていることから、急速冷凍機と冷凍保存の設備、これも将来的には考えていただきたいと思いますが、その辺についてお願いします。 ○議長(木村琳藏君) 水産農林課長。 ◎水産農林課長(小山田俊一君) 今議員がおっしゃいますとおり、ふるさと納税の返礼品として、急速冷凍した甲子柿が取り扱われているというふうに認識してございます。こちらの急速冷凍した甲子柿ですけれども、現在、市内の2つの食品加工事業者さんが生産販売を行っている状況にございます。市としましては、市が設備の導入についてというものは現時点では考えておりませんが、生産組合の組合員である生産者の皆さんと意見を交わしながら、その必要性、今後の運用の仕方、将来に向けた可能性など、そういった部分を協議しながら判断してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 甲子柿の生産体制が確立した上で、そういったことができるのではないかと思います。まず、生産体制の確立をお願いしたいと思います。 次に、観光について質問します。 世界遺産の橋野鉄鉱山入り口の整備についてですけれども、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターに寄る方と、直接世界遺産の鉄鉱山に直行する方がおられると思いますが、その割合についてはどのように捉えておりますか。 ○議長(木村琳藏君) 世界遺産課長。 ◎世界遺産課長(千葉裕君) 世界遺産登録当時は、インフォメーションセンター入り口と高炉場跡の入り口付近、こちらのほうに交通誘導員を配置いたしまして、インフォメーションセンターのほうに車を誘導する、あるいはまた、高炉場跡の入り口付近と無線で連絡を取り合いながら誘導するといったことを行ってまいりましたが、現在はそういう交通誘導員は配置しておりませんので、インフォメーションセンターに寄らずに高炉場のほうに直接行かれるという方の割合については、はっきりとは分かっておりません。ただ、高炉場跡の入り口付近には、インフォメーションセンターのほうにもお立ち寄りくださいというような貼り紙もしておりますことから、後から、多くの方がインフォメーションセンターのほうにも立ち寄っていただいているんじゃないかなというふうに思っております。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) ということは、今、インフォメーションセンターに全員が寄るというわけではないようなお話でした。 この答弁については、インフォメーションセンターを利用するということが前提であるというふうに捉えておりますが、しかし、世界遺産までは歩いて10分ぐらいかかり、子供や高齢者には苦痛であり、無駄な時間のことから車で移動する方が多い。市は、障がい者用駐車スペースや車両の転回場所としているが、訪れる方々には市の考え方は伝わっておらないと思います。ですから、自家用車や大型バスで移動し、駐車場として使用しているのが今の実態だと思います。世界遺産の駐車場として、やはり、こういうことの実態から整備すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 世界遺産課長。 ◎世界遺産課長(千葉裕君) まずは、インフォメーションセンターの中で展示等を御覧いただいて、十分理解した上で高炉場の見学をしていただきたいというふうに考えてございます。 それで、インフォメーションセンターから高炉場跡への道ということでのお話がありましたが、例えば、春先には八重桜も咲きます。歩きながらそうした周囲の美しい景観も楽しんでいただきたいというふうに考えております。 史跡入り口の駐車場の利用については、これまで簡単な表示しかしていなかったというところがございまして、今後は、障がい者用の駐車スペースでありますとか、車両の転回場所であることをはっきりと明示していきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 歩いていく方は景観を楽しみながら歩いてくださいということと、駐車場は整備をしますということなんですが、やはり駐車場を拡充する考えはないのか。やはり、狭いような感じはします。それと、駐車場が狭いということは、やはり、車との接触事故が起きるということも考えられますので、早めの整備をお願いしたいと思います。 それと、世界遺産の鉄鉱山に直行する方は、実際は、仮設トイレと整備されていない駐車場と感じると思います。また、世界遺産登録記念碑や案内看板が入り口とも思えないと思います。さらには、世界遺産を訪問したと記帳する場もないのですが、その方々を受け付けする建物や入場門も何もないということで、本当にこういうことでいいのか。やはり、訪れた方は、記帳したい方もおられるのではないかと思います。ですから、入り口付近にはそういった施設が必要ではないかと思いますが、見解をお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 世界遺産課長。 ◎世界遺産課長(千葉裕君) 入り口付近の整備につきましては、橋野鉄鉱山の遺産的価値の中に当時の景観の維持がありますことから、史跡の視認できる範囲については景観を保持するという世界遺産影響評価、そういった手続が必要でして、場合によっては、ユネスコへの報告が必要となってございます。受付や観光ガイドの待機場所としてインフォメーションセンターを整備しておりますので、今後とも、そのような対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。 また、記帳する場もないというふうな御指摘でございました。記帳ということで、その場に来たあかしといった意味で捉えれば、施設を見学したあかしとしては、橋野鉄鉱山のARカードというのを配布しておりますし、また、スタンプラリーなども行っておりまして、見学をしてきた記念になっているのかというふうに思っております。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 今の答弁ですけれども、やはり、来たら、そのときに記帳したいと思うと思うんです。今の発言だと、催しがあったときに記帳しても意味がないのではないかと思うのです。 あと、やはり、橋野鉄鉱山の遺跡を訪れた方によい印象を与えるということでは、今の状況ではよい印象なのかどうか、その辺の改善策についてもお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 世界遺産課長。 ◎世界遺産課長(千葉裕君) 印象に残るような改善ということでございます。 今、明治日本の産業革命遺産の構成自治体で構成しております世界遺産協議会のほうで取り組みます明治日本の産業革命遺産の普遍的価値を説明する共通展示というものがございます。そういったものの設置の検討とか、インフォメーションセンター内の展示物について、今後充実を図ってまいりたいというふうに考えております。また、今後は、これまでに実施しております発掘調査、それを踏まえまして、遺構表示、昔建物があった跡、そういったものについても、今後財源を確保しながら実施してまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 次に、観光のほうの再質問をさせていただきます。 観光振興ビジョンでは、現状の観光客27万6000人を成長させ、近い将来84万8500人の観光客を目標とすると述べております。平成29年から、実際の観光客推移はどのようなのかお伺いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 商工観光課長。 ◎商工観光課長(猪又博史君) 観光客の推移についてでございます。 観光振興ビジョンでは、令和2年度の観光アクションプランにおきまして84万8500人という目標数値を立てさせていただいておりました。平成29年度におきましては50万5000人余り、また、平成30年度は51万9000人余りと50万人で推移し、令和元年度は、ラグビーワールドカップの開催もあり91万1000人と増加してございます。また、令和2年度におきましては51万2000人、令和3年度におきましては、12月末現在の数字になりますが、40万3000人余りということで推移してございます。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 時間も少なくなってきたので、端折って質問したいと思います。 遠野市のホームページで観光を見るとすばらしい観光地やグルメのページがあるのですが、現在は情報発信が個人の誘客に大きく影響を与えると考えます。釜石の魅力を積極的に発信してまいりましたとの答弁がありますが、当市の観光地やグルメのページを探したが、市のホームページには見当たらなかったような気がしますが、その辺についてお伺いします。 ○議長(木村琳藏君) 商工観光課長。 ◎商工観光課長(猪又博史君) 当市の観光に関するホームページについてでございますけれども、釜石観光物産協会におきまして、釜石のあらましや釜石を知る・楽しむ・味わう・泊まるといった項目により、釜石の観光情報を詳しく発信しております。実際、釜石のホームページを起点と考えた場合に、一目で誘導を図れるよう、より分かりやすい情報発信に努め、表示方法につきましては早急に改善し、そちらのほうに誘導するようにしたいというふうに思ってございます。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 今、観光物産協会のホームページにスライドするように改善したいというようなことで、これは、やはり一番重要なことではないかと思います。よろしくお願いいたします。 また、三陸沿岸道が全線開通して産地間競争が激しくなっております。生き抜くための施策が求められています。手を抜かず頑張っていただきたいと思います。 それと、釜石市はおもてなしの心が他市に比べて少ないのではということを感じております。例としては大型バスの駐車場の整備が遅れて、運転士さんからは評価が悪く、敬遠されておるという情報があります。鉄の歴史館の入り口には入りにくい、橋野鉄鉱山インフォメーションセンターの入り口はバスの底がぶつかる、遺跡の入り口は大型バスのUターンがしにくい、鵜住居ラグビー場では東から大型バスが道路をオーバーランして来れば入れない。全体に言えるのは、大型バスの駐車エリアがない。魚河岸テラスは大人数を収容する施設ではなかったかと思います。そこにもバスの駐車場がないなど、大型バスの駐車場の確保を考えているのかどうか、この辺についてお伺したいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 文化スポーツ部長。 ◎文化スポーツ部長(佐々木育男君) 私どもの所管の施設の関係についてお答えさせていただきます。 確かに、鉄の歴史館、それから橋野鉄鉱山インフォメーションセンターの入り口については、傾斜地となっておりますことから、入りにくいというふうな印象を持たれても致し方ないと思っているところではありますが、十分な駐車場のスペースは確保しておるのと同時に、入り口もそれなりの十分な広さがありますし、また、鉄の歴史館であれば第1駐車場に5台ほど、それから、橋野鉄鉱山であればインフォメーションセンターの前に8台から9台ぐらいの大型バス専用の駐車スペースを確保しておるところでございます。また、先ほどから話題になっている橋野鉄鉱山の入り口については、あのとおり狭いものですから、あそこで何とか大型バスがUターンできるぐらいのスペースは押さえてはあるのですけれども、拡張する、あるいは広げるということになれば、やはり、それなりの工事日数、時間等がかかります。なので、引き続き、インフォメーションセンターのほうに十分な駐車場を確保しているというところで対応してまいりたいと考えます。それでも、もし事故が心配だということであれば、例えば、コーンを置くとか、そういった改善も図ってまいりたいとは思っております。 ○議長(木村琳藏君) あと2分ございます。 商工観光課長。 ◎商工観光課長(猪又博史君) それでは、私から、魚河岸テラスにつきましては、駐車場としまして、一般車両30台、大型バス2台の駐車場スペースを確保しておるところでございます。ただ、大型バスが2台以上御来場という際には、事前の御連絡によりまして、魚市場西側の防潮堤から海側の広いスペースのほうに駐車として誘導するようにということで対応を行っているところでございます。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君。 ◆18番(菊池秀明君) 確かに、そこにあります、ここにありますと言うけれども、その運転士さんは釜石に一度か二度しか来ないと思います。ですから、ある場所が分からないのが実態なので、やはり、その辺の誘導、指導についてはきちっとしたものが必要ではないかと思います。それが、やっぱりおもてなしという心なのかと。そんなところで質問を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 18番菊池秀明君の一般質問を終わります。 暫時休憩をいたします。               午後2時休憩---------------------------------------               午後2時10分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。次に、10番平野弘之君、登壇願います。  〔10番平野弘之君登壇〕 ◆10番(平野弘之君) 清和クラブの平野弘之です。 令和2年1月、日本で初めて新型コロナウイルス感染者が報告されてから2年が経過いたしました。コロナ禍につきましては、感染拡大と沈静化を繰り返しながら、現在は第6波に襲われている状況にありますが、2年が経過しているものの、一向に収束する気配はなく、世界のどこかで次々に発生する変異株に対し、何とも言い表せぬ不安を感じております。このような状況にありますが、有効な手だてとして国がワクチン接種を推奨しており、昨年、釜石市においても大規模接種会場を設けてきめ細やかに対応されていたのに続き、最近では3回目のワクチン接種に向け取組を加速されているものと承知しております。日頃より御尽力をいただいている医療関係者をはじめ、必死に経営努力を続けておられる企業の皆様や地域産業の維持発展に尽力されている市役所職員の皆様、諸団体の皆様に対し、改めて深く敬意を表します。 さて、釜石港の物流拠点化の促進に関しましては、これまで幾度となく質問と意見を述べてまいりましたが、過去を顧みながら人口減少問題を見据えますと、やはり、物流面で、昨年暮れに全線開通した三陸沿岸道路をはじめ、震災後に整備された道路網が岩手の強みであり、また、釜石発展の源であります。 この点を強く思いながら、通告に従いまして順次質問をいたします。 コロナ禍を踏まえたコンテナ物流について。 初めに、コロナ禍を踏まえたコンテナ物流についてであります。 東日本大震災から4か月後の平成23年7月、釜石港に国際フィーダーコンテナ定期航路が開設され、いよいよ本格的にコンテナ物流がスタートを切ったわけですが、全市民一丸となって震災復旧・復興に挑んだ時代の流れは非常に早く、気がつけば、昨年7月、釜石港のコンテナ物流は、定期航路開設から10年の歴史を刻みました。 平成29年9月、岩手県唯一のガントリークレーンが運転稼働を開始したのを機に、韓国の船会社である南星海運の外貿コンテナ定期航路が開設され、右肩上がりでコンテナ取扱い量が伸び、令和元年には1万TEUに僅かに及ばないものの、岩手県の過去最高記録となる9292TEUを記録しました。ところが、新型コロナウイルスが日本に上陸した令和2年からコンテナ取扱い量が減少しており、令和3年もさらに減少しているという話を伺っております。昨年11月からはオミクロン株が世界的に広がりを始め、今年に入ってから釜石市でも感染者が確認されている状況にあり、全く予断を許さない状況が続いております。 そこで、コンテナ物流に関し3点お伺いいたします。 1点目は、コロナ禍によるコンテナ物流への影響とはどのようなものなのか、また、釜石港だけではなく世界的にも同様の状況になっているのか、その辺の状況をお聞かせいただければと思います。 2点目は、昨年も同じ質問をさせていただいておりますが、その影響を踏まえた今年の見通しをどのように見込んでいるのかお伺いします。 そして、3点目ですが、コンテナ物流による経済効果はいかほどのものなのか、お聞かせいただければと思います。 釜石港公共ふ頭におけるRORO船寄港に関するその後の状況について。 次に、釜石港公共ふ頭におけるRORO船寄港に関するその後の状況について質問します。 令和2年9月、RORO船トライアル事業が2回実施されました。多くのマスコミに大々的に取り上げられ、また、国内各地からも注目を浴びつつ、無事に終了したと承知しております。あれから1年半が経過しておりますが、この間、RORO船定期航路開設に向けたポートセールス活動が行われているものと認識しております。ポートセールス状況を踏まえたRORO船定期航路開設に向けた進捗状況をお伺いします。 また、現在の公共ふ頭においてコンテナ定期航路とRORO船定期航路を受け入れるためには、いずれもマイナス11メーター岸壁を使用するものと認識しておりますが、コンテナ貨物、RORO船シャーシ貨物、完成自動車の全てをマイナス11メーター岸壁付近に保管することは面積的に不可能と考えられ、これまで市当局から答弁いただいておりますとおり、まさに、対応は困難で、新たな岸壁築造、埠頭用地造成が必要と考えます。公共ふ頭拡張に向けた取組の進捗状況についてお伺いします。 ゼロカーボンシティ推進室の設置について。 次に、ゼロカーボンシティ推進室の設置に関して質問します。 政府は、2050年、カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素先行地域を全国で少なくとも100か所程度選定し、再生可能エネルギー導入など重点的な支援を行っていくと伺っています。令和3年10月、釜石市としてもカーボンニュートラル宣言を行い、本年1月1日付で国際港湾産業課内にゼロカーボンシティ推進室を設置するなど、市の強い意気込みを感じております。 そこで質問ですが、ゼロカーボンシティ推進室の立ち上げに関して、具体的な事業や計画を見込んでの話か否か、お伺いをいたします。 時間がありましたら自席から再質問いたしますが、壇上からは以上の質問といたします。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 平野議員の御質問にお答えをいたします。 RORO船の定期航路開設に向けた取組についての御質問でございます。 当市におきましては、釜石港湾振興協議会によって、令和2年9月、船社、荷主企業等の協力を得て、2回にわたりRORO船のトライアル寄港事業を実施しております。トライアル実施以降も、コロナ禍でポートセールス活動に制約が生じ、定期就航に向けた課題である貨物集荷をスムーズに進めることが困難な状況でありましたが、様々な機会や媒体を通じて、定期航路開設に向けた船社との意見交換を続けてまいりました。 昨今は、スケールメリットを追求して様々な船舶の大型化が進められております。船舶の大型化は、自ずと寄港可能な港湾の選別と減少につながり、自動車物流の商品車輸送にも影響を及ぼすことから、RORO船を利用した完成自動車輸送にはメーカーを超えた協力体制が不可欠になるとも伺っているところであり、こうした状況の変化にも注意を払いながら取組を進めてまいったところであります。 特に、東日本大震災以前に釜石港に就航していたRORO船航路は、完成自動車輸送のみを扱う航路として運航されていたことから、震災直後から、船社に対し完成自動車物流の再開を強く要請してまいりました。要請活動の中では、要請の趣旨は理解されながらも、釜石港の利用再開については、製造元であるトヨタ社への要請を促された経過もあり、平成23年度以降、岩手県とともにトヨタ社との折衝も続けてきたところであります。 このような状況下で、昨年11月、コロナ禍の合間を縫って、これまで様々な事情でかなわなかったトヨタ社車両物流部長様に対するトップセールスを行ってまいりました。同部長からは、「市長の強い思いと釜石港の状況はよく理解できた。改めて、釜石港の利用再開に向けた検討指示を出させていただく。引き続き御協力をお願いしたい」との前向きな御返答をいただき、意を強くして帰って来たところでございます。 物流業界における脱炭素化の動きや働き方改革関連法により、トラックドライバーの労働時間の上限規制などが順次施行される物流の2024年問題などからも、長距離トラック輸送に託されている貨物が海運にシフトされ、釜石港へのRORO船寄港ニーズが高まることも十分期待できるものと考えております。今後とも、関係企業と緊密な連携を図りながら、RORO船定期航路の開設と釜石港復興の象徴である完成自動車物流の早期再開に向けて強力な取組を展開してまいりたいと存じます。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き、産業振興部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 産業振興部長。 ◎産業振興部長(平松福壽君) 私からは、コロナ禍によるコンテナ物流への影響についてほか4件の御質問にお答えします。 初めに、コロナ禍によるコンテナ物流への影響はどういったものか、また、世界的な状況はどうなっているのかとの御質問ですが、釜石港のコンテナ取扱い貨物量は、震災以降堅調に推移し、令和元年には、当面の到達目標としている1万TEUを僅かに下回る9292TEUを数え、釜石港が持つ県内最多記録を更新しております。しかしながら、令和2年から、国内はもとより、世界全体がコロナ禍で覆われ始めたことにより、世界的規模での物流混乱に端を発する形で減少に転じ、令和2年は前年比4.4%減の8884TEU、さらに、令和3年は前年比16.0%減の7460TEUと減少を続けております。 具体的な減少理由といたしましては、令和3年7月から12月までの下期において、釜石港と中国・韓国を結ぶ外貿コンテナ定期航路の定時運航率が著しく低下し、遅延が常態化する自体となりましたほか、これに対し、釜石港と京浜港を結ぶ国際フィーダーコンテナ定期航路は比較的安定的に運航されていたものの、京浜港でのコンテナ積替えに寄る外航母船の遅延が常態化したことでサプライチェーンが慢性的に乱れることとなり、この影響を回避しようとする小売業の雑貨輸入や自動車部品メーカーの部材輸出について、各社が釜石港利用を中止するなどの措置を講じたためと考えております。 また、釜石港のコンテナ取扱い貨物量のうち、これまで冷凍鮮魚の輸出も大きなウエートを占めておりましたが、コロナ禍による物流混乱に追い打ちをかけるように三陸漁場での水揚げ不振といった問題に直面し、令和3年の冷凍冷蔵コンテナの輸出量は前年比39.9%減となる524TEUと大幅に減少いたしました。加えて、コンテナ貨物の種類ごとに取扱い量の変動がありますが、例年取扱い量に占める割合が高い空コンテナの取扱い量が前年比33.2%減の2103TEUと大幅に減少したことも減少理由として挙げられます。 一方、コロナ禍によるコンテナ取扱い貨物量の減少は、船社のコンテナ定期航路の運営にも支障を来たしており、対処策の一環で実施される航路再編によって、国内地方港への寄港取り止めも確認されております。 このように、コンテナ物流を取り巻く状況は非常に厳しくなっておりますが、コロナ禍による出張制限の中でも、年間を通じて電話やメール、オンラインを利用したポートセールスに取り組み、市内鉄鋼業の線材輸出や製紙メーカーの印画紙用原紙・パルプ輸出などが上昇に転じたことで、令和3年の実入りのコンテナ取扱い量は、前年比で僅か6.6%減となる5357TEUを確保することができ、この結果、令和3年は7460TEUという実績に結びつけることができたと受け止めております。 次に、世界的にも同様な状況になっているのかとのお尋ねですが、コロナ禍は、約2年が経過した現在も収束しておらず、世界中の人々の健康、生活、社会、経済に大きな影響を与え続けております。コンテナ物流においては、港湾労働者のコロナ感染に端を発する世界的な港湾混雑、スエズ運河の封鎖事故などによってコンテナ船の運航スケジュール遅延が頻発し、船の回転不足で船腹・スペースの供給量が減少したほか、コロナ禍以前から続くドライバー不足問題がコロナ禍以降より深刻化し、コンテナ陸上輸送に遅れを生じさせ、空コンテナが不足する事態を招いており、巣ごもり需要などで拡大する荷動き需要に対し輸送能力の供給が追いつかず、結果、海上運賃の高騰が定着化するという悪循環に陥っております。このため、サプライチェーンの混乱に業を煮やした世界的な大手小売業は、自らコンテナ船やバルク船のチャーター運航に踏み切るなど、既存の定期コンテナ船社にとって厳しい解決策を打ち出していると伺っております。 コンテナ物流の誕生から65年が経過し、グローバル経済はEコマースの発展とコンテナリゼーションによって支えられている世界的な秩序が形づくられているものの、2年間続くコロナ禍によって混沌とした状況に陥っており、コンテナ物流への影響は、世界各国・港湾ごとに、程度や様相は異なりますが、コンテナを取り扱う港湾は、例外なく、釜石港と同様に影響を受けているものと認識しております。 次に、コロナ禍によるコンテナ物流への影響を踏まえた今年の見通しについての御質問ですが、釜石港のコンテナ取扱い貨物量は、令和元年に9292TEUを記録して以降、コロナ禍の影響により、令和2年は8884TEU、令和3年は7460TEUと、2年連続で減少しております。 コンテナ定期航路の開設並びにその維持存続に当たっては、船社の運航採算上、コンテナ船1寄港当たりの所要のコンテナ数量の揚げ積みを必須としますが、特にも、1社で大量のコンテナ貨物を取り扱うベースカーゴの存在が不可欠であります。釜石港では、鉄鋼製品、日常生活用品、紙やパルプ、乾牧草、自動車部品、冷凍鮮魚といった複数のベースカーゴを獲得しながらコンテナ物流振興に努めてまいりましたが、そのいずれもが、製造段階もしくは出荷や納品の段階でコロナ禍に伴う物流混乱にさらされ、取扱い量の減少を余儀なくされております。 このような状況下での令和4年の見通しは、最も重要な前提条件は、コロナ禍が収束するか否かに尽きるものと考えております。2年間続いたコロナ禍でサプライチェーンに混乱が生じておりますが、現段階でこの状況が改善されるめどは立っておりません。 昨年4月と本年1月の計2回にわたり、国土交通省は、農林水産省、経済産業省と共同で、国際海上コンテナ輸送の需給の逼迫問題に関する情報を共有し、共通認識の下に連携していくため、荷主、船社、物流関係団体の会員企業と官民ウェブ会合を開催しておりますが、当面厳しい状況が続くといった共通認識が図られた以外に特段の解決策は見出されていない状況です。 現時点で市がなすべきことは、情報収集のアンテナを高くしながら、混乱の中で生じる新たな物流ニーズをいち早くつかみ、釜石港利用に誘導していくことであると考えて取り組んでおり、今月からは青森県内の有名調味料メーカーによる釜石港利用が開始されたほか、コロナ禍による物流混乱の回避に向けた他県の事業者からの問合せも増加傾向にございます。令和4年は、かねてより目標とする1万TEUの達成を標榜しつつも、前年比プラスとなるよう、引き続き、積極的かつ全方向的なポートセールスに一層強力に取り組んでまいります。 次に、コンテナ物流による経済効果についての御質問でございます。 現在、釜石港には週2便のコンテナ定期航路が開設され、外航コンテナ船社4社による輸出入サービスと内航コンテナ船社1社による国内2点間輸送サービスが提供されております。 市政の最重要課題である定住人口の維持及び増加に向けては、雇用を創出する産業・企業の立地、育成と移住定住サポートがこれまで以上に重要となり、この促進に当たっては、コンテナ定期航路が大きな役割を果たすことは確実で、経済のグローバル化とコンテナリゼーションが進んだ昨今、コンテナ定期航路がない状態での課題解決は困難であるとも考えております。 東日本大震災以降、釜石港背後圏に整備された高規格幹線道路網とコンテナ物流を基軸とした釜石港の国際貿易港化の進展に伴い、物流の優位性を前面に打ち出しながら産業・企業の誘致活動を展開した結果、新たに立地、増設を行った企業は10社、投下固定資本にして144億7000万円に上っております。 一方、釜石港にコンテナ定期航路が開設されて以降、釜石港を利用する市内企業は15社を数え、身近な港湾利用による輸送コストの削減やコスト削減よる経営収支改善といった効果が発生しております。また、当該15社で働く従業員数は約2300人を数え、コンテナ定期航路が間接的に雇用の維持拡大に貢献しているほか、従業員の消費行動が市内経済に大きな波及効果をもたらしていると推察されます。 約192億円が投じられて整備、復旧された釜石港公共ふ頭においてコンテナ物流事業を実施する場合、コンテナ輸送に使用するトレーラーやクレーンをはじめとするコンテナターミナル施設群の整備が必要となりますが、県、市及び物流事業者によって所要の施設整備が進められ、現在までに投じられた総事業費は約26億円に上っております。 このような中で、令和3年度、釜石港湾振興協議会において、コンテナ定期航路の就航が釜石市内にもたらす効果を定量的に把握するため、コンテナ貨物の取扱いによる経済波及効果分析を実施いたしました。具体的には、国土交通省が5年ごとに実施している全国輸出入コンテナ貨物流動調査の平成30年度調査結果を基に、岩手県内を発着地とするコンテナ貨物の内容と利用港湾に関するデータを構築し、県の平成27年度産業連関表を用いて経済波及効果を算出いたしました。釜石市内の製造業や卸売業などを営む企業は、日々の商取引で発生する需要に対して生産活動を行っておりますが、この結果生じる生産額と誘発される原材料等の生産額、さらに従業員の個人消費額を経済効果として算出し、このうちどの程度が釜石港のコンテナ航路利用に起因して誘発されたのか、また、雇用創出規模や税収効果はどの程度だったかを経済波及効果として算出したものです。 この結果、1年間の経済効果額は165億円で、釜石市総生産1905億円の8.7%、雇用創出効果は1794人で釜石市就業人口1万7547人の10.2%、税収効果は8億円で市税収入額45億円の17.8%を占めるといった推計値が導き出され、コンテナ定期航路が市経済に果たす役割の大きさが再認識されたところです。同時に、釜石港のコンテナ定期航路は岩手県経済全体にも大きな経済波及効果を及ぼしていることが確認されております。 以上のことから、コンテナ物流は、当市はもとより、岩手県の産業・経済にとって不可欠であり、なおかつ、コンテナ航路は企業の競争力強化や産業・企業の集積拡大、ひいては雇用と税収拡大につながる社会インフラと認められ、コンテナ航路の維持、存続に向けては、港湾開設者である県と所在都市とのバランスのとれた費用負担に向けて調整を続けてまいりたいと考えております。 次に、公共ふ頭拡張に向けた取組の進捗状況についての御質問ですが、東日本大震災以降、堅調に推移してきたものの、昨今、コロナ禍の影響で減少を余儀なくされている釜石港のコンテナ物流ですが、令和3年実績では、取扱い量及び利用企業数ともに前年比で減少に転じたとはいえ、県内陸部の利用企業数が増加しており、国際貿易港としての下地が固まりつつあるものと考えております。また、令和元年8月、釜石港が県内唯一の動物検疫港に指定されたことに続き、昨年7月には、当市の税関官署が20年ぶりに出張所から釜石税関支署への昇格を果たすなど、着実に港勢発展が続いております。現在は、新たな取組として、裾野が広く工業製品製造に欠かせない危険品類の取扱いヤード新設に向けて関係者間の調整を進めており、さらなる利用拡大を図るための新たな素地も整いつつあります。 このような中で、完成自動車物流の再開やRORO船寄港ニーズに対応していくためには、公共ふ頭の用地面積や大型岸壁数が不足すると考えられ、かねてより、国・県に対し釜石市及び釜石港湾振興協議会として要望活動を実施してまいりました。整備の可否については明確な回答を得られていない状況ではありますが、昨年は、市長、市議会議長とともに、県土整備部長に対して直接の要望活動と意見交換を行っております。その際、県からは、市の釜石港振興に係る積極的な取組に対し感謝の言葉をいただいた上で、今後、県としても市と協力してさらなる利用促進を図っていくこと、現在の港湾計画上、未着手となっているバース等について、需要の変化に対応して最善の整備を進めるため、今後の釜石港の見通しについて国・県・市の意見交換の場を設けていきたいことなどの見解が示されました。今後、協議の回数を重ねながら、さらなる利用促進の成果を上げ、釜石市政発展の命運を握るとも言える釜石港拡張整備の早期着手を図ってまいります。 次に、ゼロカーボンシティ推進室の設置についての御質問ですが、国は、近年の気候変動や地球温暖化に国際社会全体での対応が求められる状況を受け、令和2年10月、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラルを目指すことを表明しております。当市におきましても、海水温上昇に伴う漁獲量減少や度重なる台風による甚大な被害などを受け、新しい環境基本計画の検討と併せて、市内の関係機関及び企業等の意見をお聞きした上で、令和3年10月、二酸化炭素排出実質ゼロを目指す旨を表明させていただきました。世界的潮流である脱炭素社会を見据えて国が掲げた目標に向けましては、経済・社会構造の大きな変革、再生可能エネルギーを最優先・最大限導入するエネルギー転換が重要であり、官民総力を挙げての取組が必要であると考えております。 これらを踏まえ、昨年11月、関係者の意見や提言を脱炭素社会を目指す具体的な施策の立案や実施に反映させるため、市長を座長として、市内の企業や団体等で構成する釜石市ゼロカーボンシティ推進検討会を設置いたしました。さらに、今後の脱炭素社会実現への取組を官民で効果的、総合的に推進する体制整備として、本年1月1日付で産業振興部内にゼロカーボンシティ推進室が設置されたものであります。 これまでに2回の検討会を開催し、当市における2050年脱炭素化に向け、地球温暖化対策に係る基礎情報の収集、温室効果ガス排出量の将来推計や再生可能エネルギーの導入ポテンシャル、2050年の目標及びシナリオ等の検討を行ってまいりました。検討においては、脱炭素化に向けた目標として、国の地球温暖化対策計画の目標値との整合を図るとともに、温室効果ガス排出実現に向けて、エネルギー消費量の削減、使用するエネルギーの低炭素化、利用エネルギーの転換の3つの観点に基づく施策を総合的に進めていくとともに、森林管理等による二酸化炭素吸収源の確保、環境意識の啓発等が必要と整理しております。 これらについては、令和4年度内に、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ実現への未来像や方向性を具現化する具体的なプロジェクト及び当市エネルギー施策の指針として取りまとめることとしております。さらに、令和4年度に策定する新たな環境基本計画と整合を図りつつ、ゼロカーボンシティ推進検討会等の意見、提言を踏まえ、必要な施策や取組を具体化するものとし、当市の多様な再生可能エネルギーが地域で循環する仕組みや、デジタル技術を活用した電気のネットワーク化、地域新電力事業の構築なども視野に、脱炭素社会の実現が地域の魅力向上や産業の活性化につながるような取組を展開してまいります。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) 時間がたっぷりありますので、再質問を行います。 まず最初に、学校教育のほうからやりますので、よろしくお願いします。 昨年3月の定例会に、子供たちへの釜石港のPRについて、社会科副読本に掲載予定との答弁をいただいております。その後、どのような形で、どのような内容になっているかお伺いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 学校教育課長。 ◎学校教育課長(佐々木誠君) ただいまの質問にお答えいたします。 社会科副読本につきましては、2年間かけて編集をしておりました。それで、「暮らしを支える釜石港」という題名で、貿易で活躍するコンテナのお話ですとか、あるいは、ガントリークレーンの説明ですとか、そういった説明を加えながら作成をしておりまして、現在印刷のほうをお願いしておりまして、来年度4月から配布をする予定で進めております。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) ただいま学校関係のほうから答弁をいただいたわけですが、同じ質問なんですが、港湾課として今の答弁に何か付け足すところはあるでしょうか。ありましたらよろしくお願いします。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) 副読本について、港湾としての補足になりますけれども、先ほど紹介がありましたコンテナ物流とガントリークレーンの紹介、プラス、コンテナ物流によって、まちがいかに発展するかというのを分かりやすく書いております。コンテナ物流がいかに重要かというところを記しております。コンテナ物流を行うことによって、結果、港湾背後地に企業が立地するというのが、世界の歴史を振り返っても一目瞭然です。子供のときから釜石市に世界につながる釜石港があるということを学んでいただいて、自信と誇りを持っていただくことが大切だと思っております。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) 私の質問はじっくり答えて結構ですので、よろしくお願いします。 御答弁をいただいたんですが、要するに、私が何を言いたいかといいますと、お答えいただいた内容については、3年生から4年生ぐらいの子供さんに該当するのかと思っていました。要するに、将来、そういう子供たちが、釜石港にこういうすばらしい仕事があるんだ、こういう仕事で釜石は潤っているんですよということを早い段階で認識していただきたいという思いからこの質問をさせていただきました。 次に、令和3年の取扱い量は大変厳しい状況であったと、先ほどの答弁で理解をいたしました。この厳しい状況にあって、令和3年の取扱い品目について、令和2年と比較しましてどういった品目が増えたのか、どういったものが減ったのかお答えをいただけないでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) 令和2年と令和3年を比較して、どういう品目が増えたのかについてお答えします。 まず、増えた品目なんですけれども、製紙会社のパルプ、地元鉄鋼会社の線材、プラスチック原料のポリプロピレンなどが増えております。減少した品目ですが、空コンテナ、冷凍鮮魚、日用雑貨などとなっております。 増加した理由についてですが、パルプは仙台港から転換されております。線材は鉄鋼不況、コロナ禍による減産からの復調、ポリプロピレンは秋田港からの転換と推測しております。減少した理由についてですが、空コンテナは、世界的なコンテナ不足の深刻化による空回送の大幅減、冷凍鮮魚は、海上運賃の高騰やラウンドユースの徹底、水揚げ不振などと考えております。日用雑貨は、遅延リスク対応による一時的な他港との併用であると捉えております。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) いまだコロナ禍の収束が見えない中、状況はなかなか好転しないものと確認しておりますが、今年の1月、2月のコンテナ取扱い状況から見た今年の見通しというのは分かるでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) 今年1月、2月の取扱い量は1304TEUで、昨年同期の1305TEUと同等、横ばいとなっております。コロナ禍で厳しい状況は続きますが、大口貨物の獲得に向けた動きも出ていることから、順調に取り扱うことができれば、3年連続で減少する状況は回避できるものと捉えております。引き続き、気を緩めることなく、集荷活動に全力を尽くしてまいります。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) 頭にすーっと入ってきて、非常にやりやすいなと思っていました。 先ほど、部長の答弁においても、1万TEUを目標にするような話もありましたし、集荷活動に全力を尽くすという意味だろうと思います。非常に心強く思っております。 次に、道路のことについて質問いたします。 12月18日に、最後の区間でありました普代・久慈間が開通しました。ますます南北方面への移動時間が短縮されましたし、この全線開通によりまして何か物流に変化は見られるのでしょうか。昨年は仙台から釜石ということでありましたし、北のほうの開通でどのようなことになるのでしょう。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) 全線開通前の話となりますが、一部区間が開通されるごとに冷凍鮮魚の往来が盛んになっておりました。釜石港で断続的に整備、増強が図られてきた冷凍冷蔵電源を活用した海外向けの輸出が増加していくものと捉えております。昨年は、水揚げ不振や海上運賃の高騰などで大幅に減少しておりましたが、全線開通の効果は、今後大きな変化を生んでいくものと考えております。また、これまで最寄りである八戸港を利用している荷主に対し、「岩手のものは岩手の港から」を合い言葉に、新規貨物の獲得に尽力してまいります。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) 完全に変化が求められるということだろうと思います。岩手の貨物は岩手の港から、非常にいい流れです。先ほどちょっとびっくりしたんですが、最寄りである八戸港を利用していたということで、大丈夫かなと一瞬思ったんですが、非常にいいことだと思います。 それから、もう一つ確認したいんですが、これまで県内内陸部で開催しておりました釜石港コンテナ航路セミナーでありますが、コロナ感染症の影響によりまして、昨年度、今年度と開催できなかったわけですけれども、いまだにコロナの収束が見られない状況下で、今後どのような戦略を検討されているのか、検討されていることがありましたらお教えください。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) 今後の戦略を検討されているかという御質問ですが、特段新たな仕掛けは検討しておりません。これまで同様に、草の根的な活動が中心となっていくものと思っております。このコンテナ航路セミナーは、直近で令和元年度、9回目の開催でしたが、回を重ねるごとに参加者、コンテナ取扱い量が増加するなど、大変好評かつ有意義なセミナーと理解しております。次回開催が節目となる10回目となりますので、次年度も県内陸部での開催を標榜しております。なお、本セミナーは関東圏からの参加者が多いことから、将来首都圏で開催し、より多くの船社、荷主が参加しやすい環境を整えることも検討していきたいと考えております。まずは、岩手県内の荷主に対し十分なPRを行い、釜石港を知ってもらう、使ってもらうことが重要だと考えておりますので、引き続き、県内陸部でのセミナーを開催していくことに注力していきたいと考えております。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) ありがとうございます。 運べないものがない魔法の箱と言われるのがコンテナということでございますが、昨年度は、動物検疫の港の指定を受けるという質問を度々させていただいて、それの許可を得たということですが、今度は危険物取扱いが可能になるというふうな、釜石には危険物の許可はないと思っていましたが、これはどのようなものを指すんですか。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) この危険物についてですけれども、まず、危険物を海上輸送するためには、IMDG、国際海上危険物規程という国際ルールがあり、日本では、IMDGを国内法に取り入れた危険物船舶運送及び貯蔵規則にのっとり実施しなければなりません。また、危険物と一言で言っても、約3000種類の物質がございます。危険物を揚げ積みするためには、消防法、高圧ガス保安法等の法規にのっとり実施する必要があります。これら法規では、埠頭に危険物を仮置きするためには、仮置きするための設備が整った貯蔵専用のスペースが必要で、当初、市で取組を進めておりましたが、現在、県と市が一体となって取り組み、許可取得に向けて関係機関と協議を行っているところです。許可された際に取扱いが期待される貨物ですが、ホームセンター等で販売している木炭、内陸部半導体製造企業が使用する特殊高圧ガス、毒劇物などが想定されます。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) 随分怖いような名前が並べられましたが、いずれ取り組んでいると。県と市が一体となって取得に向けて協議を行っているところだというお話ですけれども、これはいつ頃なのか、めどというのはついているんでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) 当初は年度内を目標で協議を進めておりましたが、ちょっと年度内には厳しくて、来年度早々を目標に許可申請されたらという思いはあります。まだはっきりしたことはちょっと言えませんので、御了承ください。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) 粘り強く今後交渉していただきたい。荷物がかなりあるような雰囲気にも、今聞いてて思いました。 あと、RORO船について、先ほど、東日本大震災以降、初めて市長のトヨタ訪問が実現したとの答弁がありました。大変あれなんですが、そのときの状況をお聞かせ願えないでしょうか。 ○議長(木村琳藏君) 国際港湾産業課長。 ◎産業振興部次長兼国際港湾産業課長(猪股勉君) 昨年11月9日に、震災以降、約10年ぶりに実施した市長によるトヨタ自動車へのトップセールスの状況についてですが、先方の出席者は、自動車物流を一手に担っている車両物流部長以下で対応いただきました。市として、釜石秋田線が開通しアクセスが飛躍的に向上したこと、この道路が無料であることをPRし、情報交換を行いました。この中で、無料の高速道路に大変興味を示しておられたようにうかがえます。また、開通した釜石秋田線をいまだにキャリアカーで未走行の状況であることから、市長より一度トライアルを実施してほしい旨お願いし、車両物流部長より「早速私から下の者に利用再開に向けた検討指示を出させていただきます」といった前向きな回答をいただいております。引き続き、完成自動車物流再開実現に向けて、岩手県と協働で協議を進めてまいります。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) なかなか力強い御答弁で、ほっとしたような気持ちもいたします。 あと10分ぐらいだと思いますが、最後の質問になろうかと思いますが、時間がありましたらもう1問いきたいと思います。 昨年の12月に仙台港に行く時間がありまして、仙台港は何度も見ているのですが、またつぶさに見てまいりました。ちょうど、仙台港は開港50周年ということでありました。完成自動車を積む船が入っていました。それがとてつもない大きな船、とよふじ丸が入って、作業しておりました。私は非常に印象深くて、何が印象深いのかというと、大きい船なので、中が明るい、スタンションがない、ソフトボールがやれるような大きさで、実は、この船が釜石港に着岸したことがありまして、私がサラリーマン時代に、マイナス11メーター岸壁に着岸させておりまして、作業をした経験もございます。 そこで、市長にお伺いします。 仙台港が50周年ということで、釜石港はあと2年で開港90周年、そういう時期に来ます。非常に釜石港は頑張っているということと、その意義です。市長にぜひお聞きしたいと思いますので、お願いします。 ○議長(木村琳藏君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 釜石港開港90周年ということが間もなく来るということでございまして、歴史の流れと、それから、釜石港が、岩手はもちろんですけれども、東北、あるいは日本の中で大変重く位置づけられてきた歴史というものを改めて感じているところでございます。 おかげさまでコンテナの物流が、コロナ禍の中にあってもこうして果敢に挑戦して、それだけの数字を出しているということで、まずは、引き続き頑張っていただかなければなりませんけれども、将来的な目標としては、久慈港、宮古、釜石、そして大船渡と、岩手県には4つの港湾があるわけでございまして、これは岩手県が所管しているところでございますので、岩手県がきっちりこの港湾の計画、将来展望というものをつくっていただかなければなりませんが、これは岩手県だけでやるところではなくて、我々釜石なら釜石と連携して取り組んでいただきたいと思っております。 釜石港は、先ほど来お話がありましたとおり、トヨタ社の積出し港と積揚げ港という役割と、それから、コンテナという2つの大きな目標で今日に至っておりますし、これを何とか実現しなければならないということでございます。震災前も、本当は、トヨタ社は一時的に釜石港はやめて仙台港に行くような計画もあったんですが、そのときは、岩手県の港湾関係者、あるいはまたトヨタの関係者の皆さんの努力で、私も何度となく本社に行きましたけれども、やっと元どおり釜石で再開するということになって少し安心したわけですが、ちょうどリーマンショックがあって、トヨタの販売台数が増えて世界一になる直前、たしか世界一になったんですかね。そのときは行け行けムードで、釜石港から直接北米にダイレクトに運ぶという話もあって、多分今だから言えると思うんですが、そういう準備をしていこうというようなところまで、本当はあったんです。ところが、残念ながら、東日本大震災で全くその話がなくなって、以来、トヨタ本社に訪問する機会はあったんですが、なかなか話をするきっかけといいますか、まだ港湾整備もなかなか十分でなかったものですから、やっと昨年お邪魔させていただくことができました。 ただ、この10年のブランクというのはやっぱり大きいです。当時様々なところで釜石と関わってきた方々は今はほとんどいませんし、新しい方々が今中心になって動かしているわけですので、その中に釜石というものを入れていくということが、本当に至難の業だということを感じてきました。ただ、たまたま部長さんが非常にいい方で、釜石の今までの取組を改めて確認したと。それまではどうも知らなかったみたいでして、私たちが行って、初めて釜石とのつながりといいますか、歴史というものを確認できたということで、向こうも大変勉強になったという話をしておりましたが、いずれ、岩手県も、107号線の梁川、口内のトンネル化の工事も進めていただきましたので、そういった意味では、岩手県も釜石も一緒になって、トヨタの積出し港としての位置づけ、これをきっちり伝えてくることができました。 ですから、90周年、あと2年ということでございますけれども、まずは、いかにコンテナの物流が地域経済に大きな貢献をしているということを、釜石市民はもちろんですが、岩手県内各地の皆さんに御理解をしていただかなければなりません。また、トヨタの積出し港としての意義、これも皆さんにお伝えをしていかなければなりません。ただ、そのためには、さらなる港湾整備をしていかなければなりませんので、この2年の間にそうした将来展望ができるような形に持っていくことが、まさに我々の使命だろうと思っております。短い期間ではありますが、そのためには、卵が先か鶏が先かとよく言われるわけですが、なかなか、要望してもすぐできるものではございませんので、そのために、きっかけづくりといいますか、トライアル寄港というものを今お願いしているところでございます。いずれ、先ほど経済効果の話もありましたけれども、釜石にとって釜石の港がいかに重要であるかということを改めて内外の皆さんに発信しながら、ぜひ、コンテナとトヨタの物流、この2本を大きな将来像に掲げて、その実現ができる見通しが立てるような形にして90周年を迎えたいと思っておりますので、どうぞよろしく御協力のほどをお願いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君。 ◆10番(平野弘之君) ちょうどいい時間にまとめていただきましたので終わりにしますけれども、あと2年で、90周年を皆さんで喜んで迎えられるように祈念をいたしまして、私の質問を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 10番平野弘之君の一般質問を終わります。 暫時休憩いたします。               午後3時11分休憩---------------------------------------               午後3時40分再開 ○議長(木村琳藏君) 休憩を打ち切って会議を再開いたします。 休憩前に引き続き一般質問を続行いたします。13番細田孝子君、登壇願います。  〔13番細田孝子君登壇〕 ◆13番(細田孝子君) 通告に従い、順次質問をいたします。 少子化・子育て支援対策についてお尋ねいたします。 県立釜石病院分娩休止の発表から間もなく1年が経過いたします。市民は、突然の発表に驚き、憤りと県政に対する不信感を募らせたわけであります。しかし、あくまでも休止であり廃止ではないとの岩手医科大学理事長の言葉を信じ、当市は、当面の対策として妊産婦支援事業に取り組み、この半年間、妊産婦に寄り添った支援を続けてまいりました。また、新年度予算におきましては、産前産後支援をはじめ、医療費の所得制限の撤廃や自己負担の無償化など、手厚い子育て支援策が計上されるようであります。地元での分娩が休止とはなりましたが、釜石市の未来を憂いる市民の不安を和らげ、低迷する出生数の向上につなげていきたいとの市長の強い思い入れが政策に反映されたものと存じます。 そこで、県立釜石病院の分娩休止が市民に与えている影響と今後の出生数の見通しについてお伺いいたします。 子育て世帯への訪問支援についてお尋ねいたします。 国は、保護者、特にも母親の負担軽減と孤立化、子供への虐待リスク防止を狙いとした訪問支援事業の強化を検討され、令和3年度補正予算に子育て世帯訪問支援臨時特例事業として計上されました。この事業は、不安や負担を抱える子育て家庭や妊産婦、ヤングケアラー等がいる家庭をヘルパーやボランティアが訪問し、悩みを傾聴したり、家事・育児等の支援を行うものであります。事業実施の背景に、現行の支援は保育所など施設による預かりサービスが中心であること、全国市町村の9割が実施している養育支援訪問事業では、対象が限定されているためカバーし切れない家庭が増えてきていることが挙げられています。厚労省では、今国会において新しい訪問支援事業を児童福祉法改正案に明記し、法的に位置づけた上で全国展開を図りたいとしています。 そこで、現在当市が取り組まれている訪問支援の現状と、今後国が目指す新事業への所見をお聞かせいただきたいと存じます。 不妊治療支援についてお尋ねいたします。 近年、子供の出産を望み、不妊治療を受けている方々が増えてきていることが伝えられています。日本産科婦人科学会によりますと、不妊治療を経験している夫婦は約5.5組に1組とされ、2019年に体外受精や顕微受精によって生まれた子供は過去最多の6万598人で、同年の出生児の約14人に1人に相当しています。 さて、この4月から、懸案でありました不妊治療の保険適用範囲の拡大や年齢、助成回数の条件緩和など、制度が拡充されることとなりました。一般的に、不妊治療は年を重ねてから始めるイメージがありますが、制度が拡充されたことによって、高額医療費にちゅうちょしたり、諦めていた方や若いカップルでも治療に関心を持つ方が増えることも想定されます。専門医療機関を持たない当市にあっては、不妊治療に関する相談窓口を設置されるのも対策の一つと考えますが、いかがでしょうか。所見をお伺いいたします。 児童扶養手当についてお尋ねいたします。 児童扶養手当は、父母の離婚などひとり親で子育てをする家庭に対し、生活の安定と自立支援を目的に支給されますが、全ての世帯が対象になるのではなく、所得によって支給されない世帯があります。支給されない理由としては、受給資格者や生計を同じくする同居親族の所得が一定以上ある場合が挙げられ、手当の全部または一部の支給が停止されます。ひとり親の中には、子供が小さい、あるいは正規雇用に就けないなど様々な理由から自立した生活が困難なために、実家での生活をされている方も少なくないと考えます。また、必ずしも、同居している親族からの経済的支援を受けているとも言い切れない世帯もあると伺っています。 この児童扶養手当が法律にのっとり執行されていることは十分承知しておりますが、手当を支給されている家庭と同じく経済的に困窮しているひとり親の方からは、新型コロナウイルス感染症拡大への不安と危機感の中で不公平ではないかという声が聞かれます。当局は、このような現状をどう認識されているのか、また、支援の手は考えられないのか、見解をお聞かせいただきたいと存じます。 マイナンバーカードの普及促進についてお尋ねいたします。 国は、マイナ事業の管轄を総務省からデジタル庁に移行し、社会全体のデジタル化の加速化を目指しています。重点計画として、マイナカードを活用した行政手続の拡大を進め、市民サービスの向上につなげるとしています。これまで、カード取得者の普及に向けて、マイナポイント事業をはじめ、身分証明書や確定申告に活用されたり、自治体においては、カード申請がしやすい環境づくりに努めるなど、その効果が徐々に現れてきているものと考えます。マイナポイントの第2弾では、健康保険証の登録や預貯金口座のひもづけでポイントが付与されますが、健康保険証にマイナカードを利用することで、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者は保険証の更新が不要になり、高額療養費の限度額を超えた場合の窓口での手続も不要になります。また、預金口座を登録することで、公的給付金等が円滑に支給されるようにもなります。 マイナカードの普及促進には、何よりも、市民にカードを持つメリットを実感してもらうことにあると考えます。普及促進に当たって、市単独の施策など、今後の取組についてお伺いいたします。 被災者支援についてお尋ねいたします。 初めに、復興公営住宅の家賃についてお伺いいたします。 大震災で住まいを失った被災者の住居確保のため、県営・市営合わせて1316戸の復興公営住宅が整備されました。間もなく震災から11年目を迎えますが、ついの住みかと決め入居をした被災者からは、今なお家賃の値上がりに対する不安の声が聞かれます。平成30年には、高額になる家賃の対策として、県が定めた上限7万7400円とする条例改正に準じ、当市においても改正した経緯があります。このたび県では、県営災害公営住宅入居者のうち、収入超過で退去を促されている入居者に対し、認定基準額の引上げを決定したとの報道がありました。これによって、収入超過認定された100世帯のうち70世帯が対象から外れ、家賃が下がったとのことであります。 市内にある県営住宅入居者にもその影響があったのかお聞きいたします。また、今回の県の対応による市営復興公営住宅入居者への認定基準額の見直しは検討されているのかお伺いいたします。 災害援護資金についてお尋ねいたします。 同制度によって、震災後生活のすべを失った多くの被災者が救済をされています。その償還は、借入後7年目から始まり、13年間での返済となりますが、様々な理由から返済が滞っている被災者が増加しているとのことであります。令和3年7月末時点では、償還期限が来ている方のうち、全く償還ができていない方の滞納額と遅れながらも償還している方の滞納額の総額は約6000万円に上ると伺いました。また、この制度は、償還できない人が生じた場合、最終的には自治体がその責任を負うことになるため、滞納の増加は市財政に大きな影響を与えることが考えられます。 気がかりなことは、償還の時期を迎えたものの全く返済ができていない方が48人も存在するという事実でありますが、その理由と現状についての所見をお伺いいたします。併せて、市として償還期間の延長を国に要望されるなど、償還がいささかでも可能になる対策は検討されているのかお尋ねいたします。 最後に、災害ケースマネジメントについてお伺いいたします。 大災害に直面した被災者が抱える住まいや生活、就労など複合的な悩みを、弁護士や建築士、保健師等の専門家の方々と連携し、伴走型の生活再建を後押しする災害ケースマネジメントという手法があります。これは、被災者からの相談を待つのではなく、行政、あるいは委託された団体等から被災者に出向き、困り事の聞き取りをし、その課題について、あらゆる手段を尽くし生活再建をサポートするものです。全国では、鳥取県が初めてこの手法を条例化し、鳥取県中部地震の被災者支援を行っていますが、この災害ケースマネジメントについての所見をお尋ねいたします。 以上、壇上からの質問といたします。 ○議長(木村琳藏君) 市長。  〔市長野田武則君登壇〕 ◎市長(野田武則君) 細田議員の御質問にお答えをいたします。 復興公営住宅の家賃についての御質問でございますが、今般の県営災害公営住宅家賃の制度改正の概要は、入居者の収入超過により家賃が上昇している現状と、課題となっている県営災害公営住宅の入居率の低下を受け、被災世帯の収入超過者の認定基準額を政令月収15万8000円超から特例措置で25万9000円超とし、負担が増す世帯の家賃緩和を行いながら、コミュニティー形成の確保を図ろうとするものであり、令和4年4月以降の運用として公表されているものであります。 市内にある県営災害公営住宅入居者への影響については、平田、片岸、松原、嬉石及び両石の5地区に整備された県営災害公営住宅6棟について岩手県に確認したところ、合計20世帯が認定基準額の引上げにより家賃が抑制されるものと伺っております。 次に、県の制度改正に合わせた市の復興公営住宅入居者への認定基準額の見直しの検討についてでありますが、現時点においては、県の制度改正に至った経過や内容、さらには他市町村の状況等、情報収集に努めているところであります。県が制度改正に至った背景の一つには入居率の低下がありますが、当市の復興公営住宅の入居率は、本年1月末時点で96.0%であり、県や他の被災自治体と比較しても高い入居率が維持された状況となっております。この要因といたしましては、県や他の被災自治体においては郊外に設置されている災害公営住宅が多い状況に対し、当市の復興公営住宅は市街地への立地も多く、利便性の高い地理的条件となっていることが考えられます。また、平成30年9月から段階的に被災者以外の入居を可能とし、公営住宅法の下、住宅困窮者である低所得者に対して低廉な家賃で賃貸するセーフティーネットとしての機能を持たせ、被災者のみならず、多くの方々が安心して暮らせる環境の維持に努めており、被災者以外の一般世帯の申込みも非常に多い状況であることから、県営災害公営住宅とは状況が多少異なっているところであります。 しかしながら、復興公営住宅は被災者の恒久的な住まいの確保を目的として設置されてきた住宅であり、今般県が行う制度改正は被災世帯を対象とした特例措置であることから、当市においても同様の改正が必要であると認識をしております。まずは、被災世帯の入居者の皆様の状況を把握し、庁内の議論をまとめながら、できるだけ早期に実施できるよう、取組を進めてまいります。 以上をもちまして、私からの答弁は終わりますが、引き続き、関係部長が答弁をいたします。 ○議長(木村琳藏君) 総務企画部長。  〔総務企画部長佐々木勝君登壇〕 ◎総務企画部長(佐々木勝君) 私からは、マイナンバーカードの普及促進についての御質問にお答えします。 当市におけるマイナンバーカードの申請率ですが、令和4年2月13日現在で45.2%となっており、前年同月比で14%増加しております。県内の他市町村と比較しますと、1位の葛巻町60.4%、2位の盛岡市49.5%に次いで第3位の申請率となっており、当市は、交付率ベースで全国平均より若干下回るものの、おおむね平均的な水準で推移していると認識しております。 こうした中、市は、行政手続のデジタル化を進めるに当たって、カードの普及そのものがデジタル化を加速するために必要な社会基盤になると捉えており、カードを所持することで市民生活がどのように便利になるかを実感していただくことが、普及促進の最も大きなインセンティブになると考えております。現在、カードを所持することで受けられる市のサービスとしましては、コンビニエンスストア等で住民票、戸籍証明書、印鑑登録証明書や所得証明書といった証明書の発行サービスを実施しており、今年度は、2月末時点で1367件の利用実績がありますし、利用可能な時間帯も長いことから、今後もこうしたサービスの利用は増加していくものと見込んでおります。また、県内他自治体の取組事例を見ますと、マイナンバーカードとスマートフォンを組み合わせた行政サービスとして各種イベントの申込みや申請手続のサービスといった事例があることから、当市も、現在策定中のDX基本計画の考え方の中で、取組可能なサービスについて検討してまいりたいと存じます。 ○議長(木村琳藏君) 保健福祉部長。  〔保健福祉部長小笠原勝弘君登壇〕 ◎保健福祉部長(小笠原勝弘君) 私からは、県立釜石病院の分娩休止が市民に与えている影響と今後の出生数の見通しについて、ほか5件の御質問にお答えいたします。 まず、県立釜石病院の分娩休止が市民に与えている影響と今後の出生数の見通しについての御質問ですが、県立釜石病院の分娩の取扱いが昨年10月から休止となり、同病院での産婦人科の外来診療や妊産婦健診は継続されているものの、おおむね妊娠32週以降の健診と出産に際して、当市の妊産婦の方々は、県立大船渡病院などの市外の病院へ通院されている状況にあります。 分娩休止が市民に与えている影響についてですが、昨年3月、県から分娩休止の方針が発表された後の4月から今年2月までの母子健康手帳の交付件数を見ると122件で、昨年同期の138件から16件減少しております。妊婦の方々の個別ケースについては、当市、大槌町、県立釜石病院及び県立大船渡病院とで周産期カンファレンスを開催し、毎月情報共有を図っておりますが、これまで分娩休止による大きなトラブルは発生していない状況でございます。こうした中、2月までに母子健康手帳の交付を受けた122人のうち、県立釜石病院で妊婦健診を受けている方は91人、割合は74.6%となっております。令和2年度に県立釜石病院で妊婦健診を受けていた方は72.8%ですので、分娩休止以降も、多くの方々が引き続き県立釜石病院を利用されている状況であると言えます。 しかしながら、分娩休止により市外の病院での出産を余儀なくされる妊産婦の方々は、移動距離・時間の増加による身体的な負担など、不安を感じながら通院や出産に臨んでいるものと考えられます。このため、子育て世代包括支援センターの妊産婦支援チームにおいては、妊産婦の方々の個々の状況に応じた出産に関する必要な情報提供や専門知識を生かした助言、保健指導を行っており、引き続き、妊産婦の方々に寄り添いながら不安の解消に努めてまいります。 次に、出生数の見通しについてですが、全国の出生数の推移を見ると、第2次ベビーブーム期の昭和48年の209万人から減少傾向にあり、平成28年以降は100万人を下回って推移し、令和元年は87万人となっております。また、岩手県の出生数も昭和55年の1万9638人から平成21年には1万人を下回り、令和元年は6974人となっております。当市の出生数も同様に年々減少傾向にあり、令和2年度は135人で、10年前の平成23年度の237人と比較すると102人、43%の減少となっております。今年度の2月までの出生数は129人で、3月に出産予定の方は多くないため、昨年度の出生数と同程度にとどまるものと考えており、少子化の傾向は今後も続くものと見込まれます。 人口減少と高齢化が続いている当市にあって、少子化対策は重要な市政課題でありますことから、結婚、妊娠・出産、子育てしやすい環境の整備にきめ細かく取り組み、今後とも、安心して子供を産み育てることができ、また、子供が安心して生活できるまちづくりに向けた取組を進めてまいります。 次に、子育て世帯への訪問支援についての御質問ですが、当市において取り組んでいる訪問支援は、母子健康手帳交付後、初産の妊婦に対し、助産師または保健師が妊娠後期と出産後に家庭訪問をし、第2子以降の妊婦に対しては、電話により妊娠経過を確認しつつ、出産に関する助言、指導を行い、妊産婦の不安解消に努めております。また、乳児家庭の孤立化を防ぐため、生後4か月までの乳児を持つ全ての家庭に対して、保健師または助産師が乳児家庭全戸訪問事業を実施しており、育児に関する様々な不安や悩みの相談に応じるとともに、授乳方法等の育児手技の指導、子育て支援に関する情報提供や養育環境等の把握及び助言を行っております。訪問結果により、継続的支援が必要な家庭については、関係課で協議し、養育支援訪問事業をはじめとした適切なサービス、支援の提供につなげております。当市の養育支援訪問事業では、保健師、助産師等が居宅を訪問し、育児不安や精神的に不安定な状態等で支援が特に必要な状況に陥っている乳幼児家庭や不適切な養育状態にある家庭等に対し、養育に関する指導、助言等を行う専門的な相談支援を実施しております。 育児・家事援助等の訪問支援に関しては、令和2年度から妊産婦家事支援サービス事業として、新型コロナウイルス感染症の影響により市外への里帰り出産を控えることとなるなど、日中に親族による家事支援を受けられない状況にあり、身心の不調などにより産前産後の家事を行うことが困難な妊産婦を対象に、ヘルパーを派遣し、洗濯や掃除などの家事をお手伝いする事業を実施しております。 次に、国が目指す新事業に対する所見についての御質問ですが、議員から御紹介がございました国の子育て世帯訪問支援臨時特例事業につきましては、家事、育児等に対して不安、負担を抱えた要支援家庭及び支援の必要性が高い妊産婦を対象に家事支援や育児支援を行う新規事業として概要が示されておりますが、令和4年度当初予算要求の検討段階では国の補正予算の内容が示されていなかったため、財源が伴うこともあり、現時点では新規事業の検討ができておりません。このため、今後、事業内容の詳細について把握し、当市の地域性に合った事業形態について、関係課をはじめ、家庭訪問型の子育て支援を実施している事業所や民間団体等と協議し、様々な事情により地域社会から孤立しがちな子育て家庭等に対して、より積極的な支援を実施できるよう努めてまいります。 次に、不妊治療支援についての御質問ですが、不妊治療は、検査などにより不妊の要因を特定することから始まり、短期間で済む場合もありますが、平均治療期間は2年程度と言われており、この間、相当の費用が必要となります。このことから、当市では、不妊治療に係る経済的負担を少しでも軽減するため、特定不妊治療や男性不妊治療を受けた方に対して、国及び県からの助成に加え、市からも治療費の一部を助成し、支援してまいりました。これまでの状況といたしましては、令和元年度は延べ6人の方、令和2年度には延べ9人の方に治療費を助成し、4人の方が出産されております。当市では、母子健康手帳を交付する際の面談において不妊治療の有無についても確認しておりますが、治療を経て妊娠と答えられた方は、平成31年度は4人、令和2年度は8人、令和3年度には9人の方がおられ、妊婦の約5%に当たる方が不妊治療を経験されております。不妊治療を経て妊娠された方には、不妊治療の内容を確認し、これまでの御苦労をねぎらい、今後の妊娠が順調に経過するよう保健指導を行っております。 本年4月からは不妊治療が保険適用となりますので、経済的な理由により治療を諦めていた方や治療の継続を断念せざるを得なかった方にとりましては、治療を受けやすい環境となります。しかしながら、不妊治療は経済的な負担のほか、治療に伴う身体的、精神的な負担が大きいと言われており、十分な相談支援体制の充実が望まれます。特にも、治療の結果、必ずしも妊娠に至らない方もおられますので、治療に臨まれる方の心のケアも重要となります。不妊症の治療は、男女とともに年齢が上がるにつれて治療による妊娠の確率が徐々に低下しますので、男性、女性ともに早めの受診をしていただくことが重要となります。 また、体外受精や顕微受精といった特定不妊治療が受けられる指定医療機関は県内に2つしかなく、いずれも盛岡市内の医療機関となりますので、治療を望まれる方には十分な情報提供を行い、準備をしていただく必要があります。 市では、妊娠や出産に関する身近な相談窓口として、子育て世代包括支援センター内に妊産婦支援チームを設置しております。不妊に悩む方々には、今後拡充される不妊治療制度を活用していただけるよう周知に努めるとともに、各種研修などの機会を通じ、関係職員による相談対応の充実に努めてまいります。 次に、児童扶養手当についての御質問ですが、児童扶養手当制度は、昭和36年に児童扶養手当法が制定され、経済的、社会的に多くの困難を抱えている母子世帯への社会保障制度として始まっております。平成22年8月には、ひとり親家庭への自立支援策の拡充を図るため、これまで支給対象となっていなかった父子家庭にも児童扶養手当の支給が開始されています。児童扶養手当制度は、社会の変化に対応し、ひとり親の自立を支援するよう法の改正が行われながら現在に至っているところであります。 平等な制度運営に向けて、支給要件を客観的に判断するための一定の基準がありますので、この基準に従って認定を行っており、当市において児童扶養手当が全額停止されている方は、令和3年1月末現在で45件あります。このうち受給者本人の所得が基準を超えている方は21件で、この方々は自立への過程にあるものと捉えております。一方、受給者本人以外の扶養義務者が所得基準を超えている方は24件となっております。 現行制度では、実家で親族と同居している場合は、受給者と直系血族及び兄弟姉妹は民法の規定により法律上お互いに扶養する義務があるため、児童扶養手当の支給において親族の所得が考慮されることとなっております。このため、同居している親族から経済的支援を受けていない方にとって不公平感を感じられるものであることは承知しているところであります。実家で生活していても、同居している親族からの経済的支援を受けられずに生活を送られている方につきましては、自立した生活を望まれるのであれば、どのような制度があり、どのような支援を受けられるかなど、今ある制度を最大限に活用し、思い描く自立した生活を送ることができるよう、一人一人の状況に寄り添った相談対応の充実に努めてまいります。 次に、災害援護資金についての御質問ですが、災害援護資金は、自然災害により被災した世帯の生活を立て直すため、被災程度により市町村が資金の貸付けを行う制度でありますが、東日本大震災の被災世帯に対しては、連帯保証人の免除や実質無利子での資金貸付け、据置き期間も3年間の延長により6年とするなどの特例が設けられております。 当市の令和3年7月末現在の災害援護資金の状況は、貸付件数227件、貸付金額5億5567万4000円、償還済額2億3669万1079円、償還時期が到来している世帯の滞納件数は79件、滞納金額は5980万2268円となっており、その中でも全く償還できていない世帯が48件、4727万893円という状況になっております。返済ができていない世帯の理由と現状についてでございますが、年に1回行っている現況届及び電話による聞き取りでは、歴史的不漁による漁業収入の減少、新型コロナウイルス感染症の影響による経営不振や廃業、病気による就労不能などの理由による生活困窮が15件、世帯主死亡により承継者が決まらないため返済が滞っているものが7件、そのほかは滞納の理由が不明となっております。災害援護資金貸付金は、借受人と市町村の双方の合意により締結された貸付契約により実施される私債権に当たるため、滞納処分などの強制執行を行うためには訴訟等の手続を伴いますが、県内で訴訟等に至った事例はありません。当市におきましても、将来的に未返済分の負担を一般財源により負担する事態になれば、財政的に大きな負担となりますことから、引き続き、返済について働きかけを行い、債権回収に努めてまいります。 また、国への償還期限が2年後に迫る中、2月に実施された東日本大震災津波に係る災害援護資金市町村担当者会議において、他県において償還期間の延長を国に要望する動きがあるという情報が提供されましたので、今後は、岩手県並びに関係市町村と足並みをそろえ、要望について検討してまいります。 次に、災害ケースマネジメントについての御質問ですが、被災者が災害によって受ける被害は、住家被害のみならず、なりわいの喪失、健康面の不調、コミュニティーの崩壊など、その影響は被災者ごとに異なります。被災者支援の在り方は、被災者一人一人の生活全体の状況を把握し、それぞれの課題に応じて官民が連携して個別に支援策を考えていく必要があり、その取組が災害ケースマネジメントであると考えます。 東日本大震災の際に仙台市や大船渡市での仮設住宅入居者への支援などで活用され、鳥取県においては、全国で初めて条例化をし、恒久的な仕組みとして取り組まれております。当市においても、東日本大震災の経験から、災害ケースマネジメントの仕組みを導入することは、制度の隙間を埋め、被災者個々のニーズに即した効果的な支援が可能になるものと考えますが、災害ケースマネジメントを実効的なものにするには、事例に応じて専門知識を有する複数の民間団体と行政が連携し、全ての被災者に対し支援する側から積極的にアプローチし、訪問等を通じた支援を継続的に行う体制を整備する必要があるものと考えます。 令和3年4月1日から施行された社会福祉法の改正では、重層的支援体制整備事業を進める中で、ニーズの把握や関係機関との連携体制の構築、地域資源の活用、支援会議の開催や支援プランの作成など、取りこぼさない支援の流れと部局横断的に実行できる体制を整えることが求められておりますが、災害発生時においても、災害対策本部の体制として、被災者一人一人に寄り添ったマネジメントが可能になるよう取り組んでまいらなければならないものと考えております。 以上をもちまして、答弁を終わります。 ○議長(木村琳藏君) 13番細田孝子君。
    ◆13番(細田孝子君) それでは、再質問をさせていただきます。 復興公営住宅の家賃についてお伺いいたします。 県が災害公営住宅の収入超過者に対して特例措置をとるということを決定したことが、今年の1月11日付の新聞で報道されて、私はそれでこのことを知ったわけなんですが、その内容を見てみますと、今回の制度改正の概要は、県営災害公営住宅に空き室が多いということと、それ以外の概要は当市も同じような課題ではないかというふうに受け止めたわけなんですが、まず、県のほうでこの特例措置をとることを決めたということを、市に対して事前に話とかというのはあったのかどうなのか、また、市は、いつの時点でこの対応をとられるということを知ったのかお伺いしたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 都市計画課長。 ◎都市計画課長(新沼康民君) ただいまの質問にお答えいたします。 県が行います今回の制度内容についてでございますが、昨年の8月頃ですか、制度改正の説明会を開催するという通知をいただいていたところです。しかし、その後、コロナ禍の関係等々から、その説明会は、開催のほうは見送られてきたという経過。そういった中で、私どもも情報収集という部分に不足があったこともあろうかと思いますけれども、この4年1月11日に新聞報道があって、その中でそういった事実を知ったという経過でございます。 ○議長(木村琳藏君) 13番細田孝子君。 ◆13番(細田孝子君) 分かりました。そういう制度改正があるということは知っていても、具体的なところまでは周知されていなかった。私と同じように新聞報道で分かったということだったんですね。 今回の県の制度改正によって、市内の入居者で20世帯の方が対象外となって、家賃の引下げの対象になるということで、本当にほっとされているんじゃないかなというふうに思うわけなんですが、内容はこの新聞であらあら分かりましたけれども、県のことですので、市が分かる範囲で結構ですので、どういう制度改正になるのか、特例措置がとられるのかについて説明をいただければと思います。 ○議長(木村琳藏君) 都市計画課長。 ◎都市計画課長(新沼康民君) 制度の内容に加えまして、家賃の仕組みという部分からちょっと整理して説明させていただきたいと思います。 この収入超過者の家賃の仕組みという部分でございますが、政令月収額によって区分の5から区分の8までの4つの区分に分類されております。その区分ごとに、入居から3年目までとします通常家賃額がそれぞれの住宅で定められております。一般的に言われます通常家賃額でございますが、参考程度にはなるかと思います。区分の5ですと4万3700円、区分の6ですと5万400円、区分の7ですと5万9000円、区分の8ですと6万8000円、これが一般的に参考とされます通常家賃額になっております。 今般岩手県が行います制度内容は、令和3年3月11日までに災害公営住宅に入居した被災者に限り、収入超過者の認定基準額の上限を区分5から区分7、この3つの区分を対象として、15万8000円から25万9000円に認定基準額を引き上げるというもので、政令月収25万9000円以下被災世帯の、これまで段階的に割増し家賃が制度として運用されてきておりましたけれども、今般の見直しで、その割増し家賃をまず廃止して、入居から3年目まで設定されております通常家賃額を4年目以降も継続して据置きする、そういった内容になっております。 ○議長(木村琳藏君) 13番細田孝子君。 ◆13番(細田孝子君) 丁寧な説明ありがとうございました。分かりました。 あと、たしか、明渡しをする必要もなくなるというようなことも今回の制度改正であったかと思いますが、それについても、もし分かれば確認させていただきたいと思います。 それから、これまで復興公営住宅に入られた方の中で、収入超過のため、はっきりそういう理由でというふうには把握されていないこともあるかもしれないのですが、聞くところによると、やっぱり、家賃が高くなってきて、このぐらいの家賃を払うのであれば、自立再建といいますか、家を建てるとか、そういうふうに考えられて出て行った方も何件か伺っていたわけなんですが、これまで転出した世帯数、また理由等も分かればお聞かせいただきたいと思いますし、現在、収入超過世帯というのは何世帯ぐらいあるのか、それについてもお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 都市計画課長。 ◎都市計画課長(新沼康民君) まず、明渡しに関する御質問についてでございますが、当市におきましても、明渡しにつきましては、過去、平成30年2月に、第21回復興住宅入居者選定方法等検討委員会の開催において、いろいろ御意見を伺いながら、当市としては、明渡し請求は行わないことというふうに決定してきた経過がございます。 続きまして、退去に関しての御質問にお答えいたします。 これまでの市の復興住宅の退去の状況としましては、全体で、被災世帯の退去の数は136世帯となっております。そのうち、理由としましては、施設に入る、あるいは、親族と同居する、あるいは、他の民間の賃貸住宅へ移転する、さらには、自立再建ということで住宅取得、そういった理由がございまして、世帯数としましては、施設入所については14世帯、親族との同居については44世帯、他の賃貸住宅への移転については34世帯、住宅の取得については44世帯といった内訳になっております。 次に、収入超過に係る市の復興住宅の世帯数という部分については、令和4年4月以降、要するに、県が制度を運用していくという時期を見込みまして確認したところ、52世帯ということになっております。 ○議長(木村琳藏君) 13番細田孝子君。 ◆13番(細田孝子君) 分かりました。 これまで、収入超過ではない理由かもしれませんが、136世帯の方が退去されている。民間に移られた方、あと自立再建された方というのは、やっぱり、収入超過というのが幾らか影響があるのではないかというふうには考えられますので、それを考えると、78世帯の方がやむなく出た可能性があるということが言えるかというふうに思います。 4月時点で超過の対象になる方が52世帯あるということで、やっぱり、現在でも心配されているところなのではないかというふうに思うんですが、今回、県の決定にもありましたが、復興公営住宅は、そもそも、被災した方々の恒久的住宅の確保というのが目的で整備されたということであるということが改めて挙げられていたわけなんですが、私も本当にそうだと思っていました。震災後、一番最初に整備された上中島の復興住宅に入られた方が、4年目ぐらいでしたか、10数万に家賃が上がるというので出なきゃいけないという話を聞いたときに、何で、被災されてうちがなくて、整備されたところに入っているのに出なきゃならないんだろうという疑問がその当時もあったわけなんです。やはり、そのために造った住宅なのにと本当に思ったわけですが、この議場でも何回かそういう話もしたんですが、公営住宅というのは低所得者に住居を提供するという基本的な理念があるから仕方ないんだよと言われて、何ともならないのかなという思いをしながら今まで来たわけなんですが、今回県のほうで、そういう理由も含めて制度改正、特例措置をとって入居を続けられるような体制をとったということで、本当によかったなと思いますし、ちょっと遅かったなと、もう少し、最初から被災者の住居確保なんだという、そこの部分を、別々というか、東日本大震災の被災者ではない方も一緒に考えたという部分には、やはり問題があったんではないかなというふうに思うわけなんです。その点について、当局のほうはどのような所感を持っておられるのかお伺いしたいと思います。 あと、答弁の中で、当市においても、検討、同様の改正が必要との認識であることから、できるだけ早期の実施を図りたいというふうな答弁があったわけなんですが、本当に、現在52世帯の方が対象になっているということもありますし、早期といっても、どのぐらい急いで対応されるのかというのが気になるところであります。先ほどの所見と、今後いつを目途に進めようとされているのかお伺したいと思います。できれば、市長のほうからこの答弁はいただきたいと思いますが、お願いいたします。 ○議長(木村琳藏君) 建設部長。 ◎建設部長兼復興管理監(熊谷充善君) それでは、私のほうから前段の部分、公営住宅については被災者のついの住みかということで整備したということは、本当にそのとおり、当時の目的もそうであります。今もそのとおりでございます。その中で、被災者の希望する方が全て入所した後に空きがあるので、一般の方も随時入居していただいているという状況の中で、2つの料金体系というか、片や収入超過していてもいい、片や低所得者以外は駄目だというような2つのところで一緒の制度になっているものですから、なかなかそれを一つにするというのが、市単独の考えだけではちょっと難しいところがあったのですけれども、今回の県の制度改正というのは、まさしく、今のそうした状況を酌み取ったものというふうに市としても思っておりますので、今後そうした県に倣った取組というのは進めていきたいというふうに考えております。 時期については市長のほうから答弁させていただきます。 ○議長(木村琳藏君) 市長。 ◎市長(野田武則君) 理由は、今部長がおっしゃったとおりだと思います。今までは、考え方として、公営住宅の在り方というものをどうしても土台として考えてきたために、結果、このような状況になってしまいましたけれども、今までも、県の制度に従って、市もそれに沿ってやってきましたので、今回県が改正するということであれば、やっぱりそれに準じて対応したほうがいいのではないかと、このような考えで今答弁させてもらっております。ただ、先ほど議員がおっしゃったとおり、その制度で退去せざるを得なくて退去した方々がおりますので、その方々のことを思うと、何で今頃そうなんだと、変えるんだというふうに思う方もおられるかと思います。その点は申し訳なく思うしかございませんけれども、そういった意味でも、県が変える今のタイミングは、皆さんの御理解を得られるのではないかというような考え方で、これは前向きに取り組んでいこうということで、今考えております。 ただ、庁内のきちんとした議論はまだ進めておりませんし、あるいはまた、関係する方々との議論もこれからしていかなければなりませんので、具体のことはまだ言えませんけれども、令和4年度の改定に向けて頑張っていきたいと思っておりま。ただ、令和4年度といいますと、条例の改正もありますから今回は間に合わないと思いますので、令和4年度の次の議会等で議論していかなければならないと思いますが、いずれ、条例改正が遅くなっても、遡及して、被災された皆さんには御迷惑のかからないようなやり方ができないかということも考えていきたいと思っておりますので、今のコロナ禍の中で、あるいは経済が低迷している中で、家賃負担の経済的な負担感が非常に高まっているということは重々承知しておりますので、それを踏まえて、今回こうした取組をさせていただきたいというふうに考えております。 ○議長(木村琳藏君) 13番細田孝子君。 ◆13番(細田孝子君) 市長のお話のとおりだと思います。条例改正も必要なので、早くても6月議会ということになると思うんですが、遡及して考えたいというお考えですので、ぜひそのようにしていただければというふうに思います。 こうやって、県のほうで言う働き世代の流出を防ぐというふうに話をされていましたけれども、やっぱり、復興公営住宅に若い人が残ることで、地域コミュニティーの形成といった部分にもいい影響を与えることができるんじゃないかというふうにも思いますので、ぜひこれは速やかに進めていただきたいと再度お願いしておきたいと思います。 次に、災害援護資金についてお伺いいたします。 この貸付金制度は、震災で被災された世帯に対してとられた救援策ということでありますが、償還期限が来ても返済できない方が約35%いるという事実は、やっぱり、今後大きな課題になってくるのではないかというふうに思うわけです。返済できていない理由ということで、答弁の中にもありましたが、滞納の理由が不明という方がかなりの数あったかと思うんですが、やはり、不明という状態はよくないんではないかなというふうに思うわけなんですが、なぜ不明のままでおられるのか、その理由と、実際に、何件全く分からない状況の世帯があるのかお聞きしたいと思います。 ○議長(木村琳藏君) 地域福祉課長。 ◎地域福祉課長(村上徳子君) 災害援護資金の償還についての御質問にお答えいたします。 議員おっしゃるとおり、災害援護資金の償還時期が到来してもまだ一度も償還していない世帯につきましては、48世帯ということで把握してございます。償還できない理由といたしましては、生活の困窮なのかというふうに考えてございますけれども、個々の実態については、訪問等の調査ができておらず全容を把握できていないので、その点については大変反省しているところでございます。被災者の生活につきましては、仮設住宅から新しい住宅等への移転時期に借りる援護資金であったため、すぐの訪問ということもなかなかかなわず、その詳細についても、6年間の据置き期間を置いた後、なかなか連絡がとれなくなったというのが事実でございます。 今後につきましては、新型コロナの状況もございますけれども、訪問調査等を行ってまいりたいというふうに考えてございます。その際に、資力を確認するとともに、保証人になっている方に連絡をとりまして、返済についての協力を促してまいりたいというふうに考えてございます。また、生活が困窮していると思われますので、紹介や家計改善に関しましては、弁護士やファイナンシャルプランナーへの無料相談へつなぐ方策であったり、あとは、生活困窮者の自立支援サービスの利用などの情報提供を行いまして、滞納額の減少に今後努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(木村琳藏君) 13番細田孝子君。 ◆13番(細田孝子君) 今課長がおっしゃったとおり、確かに、据置き期間が6年間あって、その後なかなか連絡がとりづらいという実態も分かるんですけれども、どうなっているか、その被災者の方がどういう生活をしているのかというのは、やはり把握しておかなければならないことだというふうに思いますし、課長がおっしゃったとおり、もし、その方に何か支援の手を差し伸べるのであれば、ぜひそういう対応もしていただきたいとお願いしたいと思ったことを課長のほうからお話ししていただいたので、ぜひ、そのように進めていただきたいというふうに思います。 それから、今回、償還期間の延長という部分も県や関係市町村との話合いで進めたいということでありました。やはり、幾らかでも期間が猶予されることによって返済が楽になるのではないかというふうに思いますし、また、それによって、市が負担しなければならないかもしれない、そういった部分の軽減にもつながるものと思いますので、ぜひ、償還期間の延長という部分については話を進めていっていただきたいというふうに思います。それについて一言答弁いただいて終わります。 ○議長(木村琳藏君) 地域福祉課長。 ◎地域福祉課長(村上徳子君) 援護資金の償還期間の延長につきましては、今、実際に、他県のほうで国に要望している状況でございます。延長が認められるかどうかというのはこれからの協議になるわけなんですけれども、延びたことによって、2年間の新型コロナウイルスでの経済の低迷であったり、活動ができなかった期間を埋めることができますし、あとは、返済の機会が拡大することによって、返済の分割払いの回数も増えて、少し負担が軽減されるのかというふうに考えてございますので、積極的にお勧めして、少しでも返済できるような環境整備を図っていきたいというふうに考えてございます。 ○議長(木村琳藏君) 13番細田孝子君の一般質問を終わります。--------------------------------------- ○議長(木村琳藏君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。               午後4時40分散会                         釜石市議会議長 木村琳藏                         釜石市議会議員 山崎長栄                         釜石市議会議員 佐々木義昭...